
石川遼に続き高校生プロとなった
イタリアのマッテオ・マナセロに注目!
昨年の全英アマを史上最年少で制覇。全英オープン、マスターズでも活躍!
マスターズでローアマチュアに輝いたマッテオ・マナセロの名が世界に知られたのは昨年6月に英国フォームビーGCで行われた全英アマチュア選手権の優勝だった。16歳2カ月での優勝は過去の記録ボビー・コールの18歳1カ月を一気に2歳も上回る史上最年少記録更新だった。
124年の歴史を誇る同大会でイタリア人初の優勝と快挙づくめだったのである。この優勝で全英オープンとマスターズの出場を決め、その2試合でも16歳とは思えぬ洗練されたプレーでトッププロも舌を巻いた。昨年の全英オープンでは堂々の13位タイ。1949年から創設された栄誉あるローアマチュアのシルバーメダルを史上最年少で獲得したのだ。
初日と2日目を一緒にプレーしたトム・ワトソンを「理想的なスイングをしている。特にトップの形が素晴らしい。そして落ち着いていて、とても16歳とは思えない」とうならせた。さらに今年のマスターズでは最年少出場。アマチュアでただ一人予選通過を果たし、最年少予選通過記録を43年ぶりに更新。成績も36位タイでマスターズでもローアマチュアに輝いた。予選ラウンド2日間を同組だったリー・ウェストウッドは「才能に満ち溢れているだけでなく、彼の成熟した気質や思考など驚くばかりだった」と絶賛した。
ロミオとジュリエットの舞台、北イタリアの世界遺産の街で生まれ育った!
マナセロはシェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台として知られる北イタリアのヴェローナに1993年4月19日に生まれ、育った。中心部には古代ローマ時代の円形競技場など今も中世の雰囲気が残り、市街は世界遺産にもなっている。
イタリアには練習場を含めゴルフ場は400足らずと決して多くはないが、伝統と格式を守る素晴らしいコースが多い。北部はアルプス山脈を背に、中部は深い森の中の丘陵コース、古代ローマ遺跡の近くなどにも点在し、多彩で優雅なプレーが楽しめる。コースコンディション、主要都市からのアクセスも良く、食事も美味しい。
マナセロはゴルフ好きの両親の勧めで3歳の時に地元の練習場で初めて打球を経験。いよいよコースデビューしようとしたが、当時のイタリアのゴルフ場は大人の社交場という雰囲気が強く、子供のプレーが可能な所がなかった。父ロベルトは代わりにゴルフビデオを活用し、マナセロは鑑賞するうちにますます夢中になっていった。
マナセロが目標とするセベ・バレステロスとの運命的な出会いがあった!
マナセロが目標とするのはスペインのセベ・バレステロスである。2人は97年、まだマナセロが4歳のときに運命的な出会いをしている。同年の秋にセベがマナセロの地元近くで開催の試合に出場していた。偶然、マナセロも練習ラウンドの日に会場を訪れた。
たまたま練習グリーンに立ち寄るとそこでセベが練習をしていた。声の届くところで練習していたプロのアルベルト・ビナヒに「セベとマッチがしたい!」とせがむと、ビナヒは快く取り次いでくれ交渉成立。遊びとはいえチップショット合戦でマナセロがカップインしてセベに勝ったのだった。
以来、マナセロにとってセベは特別な存在になった。「他の選手とはまったく違うセベの情熱的で直感的なプレーに憧れてきた。彼は僕にとってリアル・ヒーローだ」。10代でプロに転向しメジャー制覇したセベとこのエピソードが重なり、セベの再来との期待も込め、マナセロは「NEWセベ・バレステロス」と呼ばれるようになったのだ。
そして、2人を取り持ったビナヒはその後欧州ツアーから退き指導者の道を歩んでいた。2005年から母国ナショナルチームやジュニアたちの環境整備や育成にも尽力してきた。マナセロはその後メキメキ実力をつけてナショナルチームのメンバーに。そしてコーチとしてチームを率いていたビナヒと再会。彼も同じく北イタリアのミラノ出身ということもあり、マナセロの才能の際立ちとともにコーチと生徒以上の強い絆も培われていった。
その後、ビナヒは全英アマ、全英オープン、マスターズと大舞台でプレーするマナセロのアドバイザーキャディーとしてバッグも担ぎ、愛弟子の活躍を支えたのだった。
イタリア・オープンでプロ転向を表明。石川に続く高校生プロの今後に注目!
そしてマナセロは5月のイタリア・オープン出場の際にプロ転向を表明したのだ。母国のナショナルオープンがプロデビュー戦というスケジューリングも素晴らしかった。石川遼は16歳3カ月24日で日本ツアー史上最年少プロになったが、マナセロは石川に次ぐ17歳の若さで高校生プロとなったのだ。
学校とツアープロの両立の大変さを両親は「足りない部分は家庭教師やPCを利用して補い、きちんと卒業するように協力する」とサポートを強調。マナセロも「地元も友達も僕にとってはかけがえのないもの。何も変えるつもりはない」と話す。
欧州ツアーの出場資格がまだ無いため、しばらくはチャレンジツアーで経験を積み、来季シード権獲得を目指す心積もりだ。ルックスや表情、しぐさが魅力的ですでにアイドル的な存在。マスターズでは「マッテオ・マニア」まで出現し彼の行くところ女性の大ギャラリーで溢れかえっていたものだ。今後の成績次第では時代を動かすスーパースターとなる可能性も十分に秘めている。今後、目が離せない存在だ。