
トリプルR(リッキー、ローリー、遼)の個性派若手がツアーをリフレッシュする!
スキャンダル渦中のタイガー・ウッズの復帰は2月のAT&Tぺブルビーチか?
2010年の最大の注目は相次ぐスキャンダルの渦中にあるタイガー・ウッズ(34)がどの試合から参戦するかだ。試合へ無期限の出場自粛を表明しているが、よほどのことがない限り早期の復帰を模索していると思われる。というのも彼のキャリアで節目となるような重要なシーズンだからだ。
最も早い段階で有力視されているのは2月第2週のAT&Tペブルビーチ・プロアマ。開催コースがカリフォルニア州ペブルビーチGLで、同コースは6月の全米オープン開催予定であり、その予行演習の意味があるからだ。
現在71勝であるタイガーの2010年の目標は2つ。1つはジャック・ニクラスの史上2番目の最多優勝記録73勝を追い抜くこと。2つ目は1シーズンで4大メジャー全勝の年間グランドスラム達成。今季は年間グランドスラム達成の大チャンスである。
というのは4大メジャー中3試合が優勝経験のあるコースでの開催だからだ。マスターズは4勝、全米オープンのペブルビーチGLは00年に15打差の圧勝、全英オープンのセント・アンドリュースも00年に最少スコアを記録しての優勝だった。ファンはもちろん、ツアーやスポンサー、選手仲間へ言葉だけの謝罪ではなく素晴らしいプレー、新記録達成をともなっての復活こそ泥沼化した状態を乗り越える唯一の方法だと思う。
あっと驚く実力と技術、誠実でチャーミングな人柄が最大の武器
今年は期待の若手5人の米ツアーチャレンジが楽しみだ。中でもリッキー、ローリー、遼という頭文字がRのトリプルRが話題をさらいそうだ。
リッキー・ユタカ・ファウラー(20)はオクラホマ州立大学を中退し昨年9月にプロ転向。初戦でいきなり7位。2試合目ではプレーオフ進出で2位。同大会では毎日イーグルを奪い最終日ではホールインワンを記録するなど大暴れした。
身長175センチとプロの中では小柄だが、コンパクトでシャープに振りぬくドライバーショットは300ヤードを超え、多彩なアプローチを駆使してカップインを狙うなど、ほとばしるほどアグレッシブルなプレーでファンを魅了する。
Qスクールに15位タイで一発合格して今季の出場権を獲得。新人でありながら、実力と存在感で米国ではすでにポストタイガーの筆頭に挙げられている。ミドルネームのユタカは母方の祖父の名で日本の血を受け継ぐ。日本人としては気にかかる存在だ。
北アイルランドのローリー・マキロイ(20)も米ツアーでのプレーを表明している。欧州ツアーフル参戦2年目の昨季は最後まで賞金王を争いバレステロス以来史上2番目の年少賞金王目前だったが、最終戦でリー・ウエストウッドに逆転されお預けとなった。
しかし、怒涛の活躍で世界ランクは瞬く間に9位に浮上(欧州ツアー終了時点)。20歳でのトップ10入りはセルヒオ・ガルシア以来2人目の快挙だ。2月のドバイ・デザート・クラシックで初優勝したときは19歳。ジャスティン・ローズ、ヘンリク・ステンソンを破っての大金星だった。
2月のマッチプレーが世界選手権と米ツアー初出場で準々決勝まで進出。4大メジャーにすべて予選通過を果した12人の内の1人であり、タイガーやミケルソンらトッププロがこぞって絶賛する存在となった。
トリプルRで最年少の石川遼(18)は今までにないタイプのゴルファーだと今や日本以外でも人気急上昇中だ。尾崎将司の26歳を抜き日本ツアー最年少賞金王。さらにバレステロスの19歳をも抜いて世界最年少記録という快挙を達成。
昨季は石川にとって大舞台へ羽ばたく序章ともいえる年だった。マスターズで初メジャーを経験。全米プロ選手権でメジャー初の予選通過。HSBCで初の世界選手権出場。ボーナスはトッププロを跳ねのけグレッグ・ノーマンの指名によるプレジデンツカップ出場だ。
トップランカーで成るチームの一員となり、トップランカーと対戦、各国の言葉、技術、経験、食事、習慣、考え方など多くのものを体得した。その場に行くまで相当緊張したと思うが、彼はあっという間に溶け込み、対戦相手にまで愛され可愛がられる存在になった。あっと驚く実力と技術、そして彼の最大の武器は誠実でチャーミングな人柄であることを世界に知らしめた。
今年の序盤は世界選手権2試合とマスターズの出場権を得ているので推薦出場の数試合を織り交ぜれば昨年のようなスポット参戦ではなく計画的な米ツアー挑戦が可能だ。開幕直後から相次いでトリプルRら若手が続々と登場予定で、ツアーに新たな風が吹きそうだ。
下部ツアー賞金王とQスクール優勝者 二人の実力派も20歳代で期待が大
ルーキーとして登場する下部ツアーの賞金王とQスクール(出場権獲得のための試合)のトップ合格者も揃って20歳代の若手だ。ネーションワイドツアーの賞金王マイケル・シム(25)はツアー3勝で賞金王。獲得額の64万ドル強はツアー史上最高額。さらに最優秀選手賞、平均ストローク1位で68・81は史上最少と突出した活躍だった。
トータルドライビングも1位でこれは平均飛距離とフェアウエーキープ率の順位の合計。つまりドライバーの巧みさを表す。パーオン率も6位、バーディー奪取率も3位と高いレベルで安定しており、25歳とは思えぬ成熟したプレーだ。
Qスクール1位合格のトロイ・メリットも25歳。アイオワ州の出身で07年マスターズ・チャンプ、ザック・ジョンソンと同郷だ。ボイス大学時代は7勝。アマ界で最も美しいスイングの持ち主と絶賛されてきた。今回のQスクールでは初日から最終日まで首位を維持し、同試合45年の歴史で3人目の快挙を達成。
このように今季は例年になく、いきなり優勝争いに加わる可能性の高い若手がひしめいている。米男子ツアーが大いに盛り上がること必至だ。