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第82回佐渡充高のワールドツアーリポート

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総括!2009年の米ツアーで起こった
5つのサプライズがこれだ!


1. タイガーのミステリアスな事故の原因と他のタイガー関連の出来事・・・


 09年を振り返ると多くのサプライズがあったが、最大の出来事はシーズンオフに起こったタイガー・ウッズの自動車事故だ。現地時間11月27日深夜2時ごろ、フロリダ州の自宅近くで消火栓や木にぶつかる自損事故。エアバッグが出ない程度の軽い衝撃だったようだが、一部報道では事故後6分間も意識不明の状態だったとか。病院に救急車で運ばれ外傷の手当てを済ませ帰宅、そのまま静養した。
 しかし、事故後、警察からの度重なる事情聴取を拒否したために様々な憶測が飛び交うことになった。米国のテレビもエリン夫人が「アイアンで車のガラスを叩き割り救出した命の恩人」「タイガーの不倫報道に激怒し家庭内暴力か」など極端に報じ、真実は分らないまま。
 その後事態はますます悪化し、ついに無期限のツアー撤退声明まで出てしまった。
 09年は左ひざの手術から約9カ月ぶりにツアー復帰。年間6勝、史上最多9度目の賞金王などタイトル総ナメで本人も「上出来」と評した。
 11月には豪州のJBウェア優勝で有終の美。その前には母校スタンフォード大学スポーツの殿堂入りが決まり、そのセレモニーに家族そろって出席。母校のフットボール戦で名誉監督も努めスタジアムを埋め尽くす大観衆から拍手で祝福を受けた。かつて購入したプライベートビーチやヨットハーバーもあるフロリダの広大な敷地に家族のためにいよいよホテル並みの新居も建て始め幸福の絶頂に見えた。
 ところが、オフコースでは上出来ではなかった。ビュイックとの契約解消、金融不況で初設計となったドバイのゴルフ場の計画変更。専属キャディのスティーブ・ウィリアムスの引退宣言。ウィリアムスの母国、ニュージーランドのサンデーニュース紙が「バッグを担いで13年。タイガーがニクラスのメジャー記録18勝を抜いたら引退する意向」と報じた。
 タイガーは現在14勝で、引退はすぐということではないが、その発言自体が気になった。今回の事件も含め夫人、キャディ、スポンサーなどタイガーを支えてきた人たちとの関係に大きな変化が生じているのは確かで、本当の決着はいつになるのか見当もつかない状況だ。


2. 1試合でなんと8回のホールインワン達成の新記録が誕生!


 09年の目玉となる新記録はホールインワンだ。1試合で8つという奇跡的な出来事があった。これまでの最多は05年のジョン・ディア・クラシックの5つで、今回は一気に3つも上回った。トロント郊外のグレン・アビーGCで開催の今年100回記念を迎えたカナディアン・オープン。連日雨が降り続き、毎日順延、順延の5日間大会とホールインワンには好条件だったかもしれないが、それでも8つは驚異的である。
 記録した選手は1Rではジョー・デュラント、ピーター・ロナード、2Rではリーフ・オルソン、アルジュン・アトワール、ケーシー・ウィッテンバーグ、ブライニー・ベアード、4Rでは地元カナダのマイク・ウィアー、ケビン・サザーランドの8人だ。さらにホールインワンが4つ出た大会が1試合、3回が4試合もある驚きの年となった。


3. 誰一人もプレーしないまま試合が消えたミステリアスな珍事・・・


 誰ひとり、一打もショットすることなく、試合が消えるという珍事もあった。消えた試合は最終トーナメントから2試合目のヴァイキング・クラシック。開催地の米南西部ミシシッピー州アナンデーGC周辺は1カ月半ほど前から雨が続き、期間中も回復することなく大会はキャンセル。試合消滅は96年のペブルビーチ・プロアマ以来だった。
 事態の急変で賞金シード125位以下の選手にとってシード権争いの場が突然消えたわけで悲喜こもごもの結末を招いた。その結果、メジャーチャンピオンのデビッド・デュバール、クリス・ディマルコ、ロッコ・メディエイトら著名選手がシード落ちの憂き目に。誰も予想しなかった展開が最後の最後に起こり、シードを早めに決めることが如何に大事かを思い知らされた。


4. ルーキーが未勝利に終わったのも実に12年ぶりの出来事・・・


 09年はルーキーの優勝がないシーズンだった。1シーズンでルーキーの優勝は平均3人程度。08年はアンドレス・ロメロ、チェズ・リービー、ダスティン・ジョンソン、マーク・タネーサの4人だった。新人の優勝がいかに難しいかを示す数字でもあるが、それでもルーキー未勝利は98年以来12年ぶりのこと。
 豪州のマーク・リーシュマン(26)がプレーオフシリーズ最終戦まで残りBMW選手権で優勝を争ったが、最終的にはタイガー・ウッズに8打の大差をつけられ2位に終わった。
 ルーキー未勝利の年の新人王選びは難しく、98年はレフティーのスティーブ・フレッシュが獲得。09年はリーシュマン以外にウェブ・シンプソン、豪州のジェイムズ・ニティーズら数人が候補だが、誰になるのかまったく予想がつかない状況だ。


5. 還暦目前のワトソンが全英オープンでなんと優勝争い・・・


 最も大きなサプライズはターンベリーで行われた全英オープンでのトム・ワトソン(59)の大活躍だ。4アンダー首位で最終日を迎えたがスチュワート・シンクに追いつかれプレーオフ。もし優勝すれば“人類史上最年長優勝”となったのだが・・・。
 残念な結果だったが、還暦前の59歳の選手がメジャー史上でプレーオフまでプレーしたのは史上初。二度と起こらないであろう快挙であり、世界のファンを魅了した。ワトソンの活躍は今年のプレーヤー・オブ・ザ・ワールドに匹敵すると感じた。