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第80回佐渡充高のワールドツアーリポート

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今年はメジャー無冠でも記録、賞づくめ。やはりタイガーは王者だった!

41試合で争う開催3年目のフェデックス・カップで2回目の優勝・・・


 今年のタイガーはプレーオフ最終戦のツアー選手権でフィル・ミケルソンに逆転負けを喫して2位に甘んじ、フィナーレを飾れなかった。また4大メジャーにも勝てず、例年のようなインパクトの強いシーズンとはならなかった。
 しかし、9カ月ぶりに左ひざの手術から復帰した今季を総括してみると、やはりタイガーはいろいろな面でズバ抜けていた。さすが世界ナンバーワン・・・その内容は記録や賞づくめ、やはり凄かったのである。
 レギュラーシーズン37試合、プレーオフシリーズ4試合、合計41試合に及ぶフェデックス・カップでは2回目の優勝を果たした。最終戦では優勝できなかったものの最後の4試合は2位タイ、11位タイ、1位、2位、レギュラーシーズンでも全英オープンの予選落ちがあるもののストロークプレーではすべてトップ10と上位安定の強さを見せつけた。
 同カップは今年で3年目を迎え、昨年は左膝のリハビリの最中で試合に参加できず対象外だったが、一昨年に続いて2回目の優勝。年間を通して圧倒的な強さを見せつけた。


新記録となる9回目の賞金王と8回目のバードン・トロフィーも確定・・・


 ツアー選手権を終えた段階でタイガーは獲得賞金1090万ドル(約10億円)でランク1位。このあと賞金ランク対象のフォールシリーズ5試合が行われ今季の全日程が終了し賞金王が決まる。が、ランク2位のスティーブ・ストリッカーから4位のザック・ジョンソンまでは以降米ツアーの出場予定がなく、5位のケニー・ペリーとは600万ドル以上の差があるため実質的にタイガーの賞金王は確定。これで9回目の賞金王となり、ジャック・ニクラスの8回を抜き最多賞金王となる。
 主要タイトルの中で選手たちが最高の賞とするのは年間最少ストロークの選手に与えられる「バードン・トロフィー」だ。受賞の正式発表はシーズン終了の11月中旬になる予定だが、今年は年間ストローク68・05で1位のタイガーの受賞が確定している。
 同賞は1937年に始まり今年で73年の歴史を誇る。条件は厳しく、年間60ラウンドに満たなかった場合や途中棄権が1回でもあれば対象外となる。タイガーは99年から5年連続受賞を含む8回目となって史上最多受賞を更新中。複数回受賞者はリー・トレビノ6回、サム・スニード4回、ベン・ホーガン、トム・ワトソン、グレッグ・ノーマン3回とそうそうたる顔ぶれだが、8回のタイガーは彼らを超える飛び抜けた実力である。
 73年の歴史の中で68台の平均ストロークは過去に9回しか記録されておらず、それだけでもレアなケースだが今季のタイガーの残した68・05は03年に自らが保持する最少記録68・41を破る新記録だ。2位のスティーブ・ストリッカーが69・29で1・24の大差。タイガーが別格だったことがわかる。


驚異の平均ストロークはフェアウエーキープ率のアップから生まれた・・・


 平均ストロークを史上最少まで極めることができたのはフェアウエーキープ率の大幅アップあってのこと。今年は64・29%。昨年より6・5%も良くなっていたのだ。タイガーは年間9勝の2000年以降、フェアウエーキープ率が下降しはじめ、04年からは50%台が続き、06年に何とか60%台を回復したのも束の間。また下がり50%台前半後半を行き来していた。それでもパーオン率が高かったのは技術の高さがあったからで、今年はフェアウエーキープ率を上げるとこういう結果になる、ということを示したことになる。
 フェアウエーキープ率アップの秘訣は体積380ccの小さめでロフト10・5度のドライバーを5月から使用したことにある。小さめのヘッドは操作性に優れ、ロフトを1度以上増やした目的は打球のスピン量を増やしドローやフェードをかけやすくすることだ。さらに弾道も高くなり落下してからのランが抑えられ、狙った点で止める精度を高めたことだ。


9回目のプレーヤー・オブ・ザ・イヤーと初のカムバック賞の可能性も・・・


 加えて、今季まだ可能性のある賞がある。プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(POY・最優秀選手賞)とカムバック賞だ。これらの賞はシーズン終了後に選手の投票で決められる。POYの候補としてまず4大メジャー・トーナメント優勝者が考えられるが、全米プロ優勝のY・E・ヤン以外は年間そのメジャー1勝のみ。年間3勝のミケルソン、ストリッカーも6勝のタイガーにははるかに及ばない。同賞は90年から選出方法が変わり、それ以前はPGAオブ・アメリカが独自のポイントで選出した選手に与えられ、ニクラウスが5回、ワトソンが6回受賞している。
 タイガーは選手が選ぶ最高選手としてPOYを8回も受賞。今季メジャー無冠もタイガーのプレーは選手の間で評価が高く、9回目、最多受賞の可能性が高い。
 タイガーはケガや病気から見事に復活した選手に与えられるカムバック賞の最有力候補にもなっている。昨年の左ひざの手術、リハビリで約8カ月半の長期離脱後、2月最終週の世界選手権マッチプレーから復帰した。
「どのような結果を残せるかまったく予想できなかった。が、安定して上位の成績を残せたことは自分でも驚きでもあり、満足している」と振り返った。
 タイガーが獲得してきた賞があまりにも多いので錯覚してしまいがちだが、実力者がひしめく選手の中でひとつの賞を獲得することすら至難の業。タイガーの今季を振り返ると、改めてその凄さを思い知らされる。最終的な発表は12月になるが、タイガーの記録、賞づくめの結果となる可能性は高そうだ。