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第62回メンタルゴルフ革命

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作業に忙殺されるという行為が集中力そのものだ


 女子ツアーのメジャー第3戦「日本女子オープン」はツアー最高峰の勝者を決めるにふさわしい大激戦となり、プレーオフの末、韓国の宋ボベがメジャー初優勝を飾りました。
 宋ボベと横峯さくらの戦いとなったプレーオフ1ホール目、18番ミドルホールの第2打、「ピンしか見ていなかった」という宋の打ったボールはピン手前3メートル半にオン。一方横峯も第2打をほとんど同じ距離に乗せます。「ラインに迷いがあった」という横峯のパットは打ち切れずカップを外します。そして宋が「カップ1個分スライス」と読んだボールは見事にカップに沈み、勝負は決しました。この2人の最後のパットは技術以上に心理面、とくに集中力とはどういうものなのか、大いに参考になるものだったといえるのです。
 試合後、「仲の良い横峯とのプレーオフはやりにくくなかったですか?」という質問に宋は「私は試合になると相手は気にせず、自分のプレーに集中するタイプなのでまったく気になりませんでした」と語っています。
 この言葉でわかるように宋は最高レベルの集中力をラウンドの最後まで切らさずに自分のゴルフに徹し切りましたが、問題は集中するという意識の中身にあります。
 宋の場合も、勝負のかかったパットを前にして、パッティングラインのイメージを描く作業、パターの向きのセッティング、ストロークの大きさと初速の決定など、ボールをカップに沈めるためのさまざまな作業に忙殺されていたはずです。この作業に忙殺されるという行為が集中力そのものなのです。頭の中で「集中しよう」と思っても簡単にできるものではないことを知ってください。
 つまり、集中したいのなら、意識的に「集中しよう」という考えを捨て、目の前のショットやパットを成功に導くための作業に没頭する方がいいのです。この集中への方程式をゴルファーは案外知らないようです。


「集中しよう」と考えるとむしろ集中できなくなる


 それではラウンドを通して高いレベルの集中力を維持するポイントを説明します。
 先にも書いたように、まず集中しているという意識を取り去ることです。集中が途切れていると思っても「集中しよう」と考えてはいけません。より雑念が入って、むしろさらに集中できなくなるからです。そんな時には、これから打つボールの軌道をイメージに描いたり、打ってはいけない領域をチェックする作業に没頭しましょう。アドレスに入った時には一切の思考を遮断して自分が打ちたい領域だけに視線を固定してリラックスを図ります。そしてスイングを開始しますが、このルーティーンをいつも同じリズムで淡々と実行することが大事です。ひたすら決まりきったルーティーンを実行すれば自然に「条件反射」のメカニズムが働いて脳は最高のスイングをするためのプログラムを出力して、好ましい結果をもたらしてくれるのです。
 ところが、多くのアマチュアゴルファーの脳には、アドレス時にさまざまな思考が渦巻いています。たとえばミドルホールでグリーンを狙う第2打を打つとき、「このボールを必ずグリーンに乗せてさっきのダブルボギーを挽回しなければ…」とか「右側のアゴの高いガードバンカーに入れたらどうしよう」といったことを考えてしまいがちですが、これでは集中などできません。ショットを成功させることとは無関係な、しかもミスショットをわざわざ引き起こしかねない思考がハバをきかせているようでは、肝心な時に高いレベルの集中力など発揮できるわけがありません。
 目の前のボールを最高の結果に導くためのさまざまな作業に忙殺されながら、決まりきったルーティーンを取ることがあなたに最高の集中力をもたらしてくれるのです。

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