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第79回佐渡充高のワールドツアーリポート

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世界をリードする日本の年少化傾向
続々と現われる「ネクスト遼」・・・

KBCオーガスタで伊藤誠道が最年少予選通過記録を樹立・・・ 


 今年8月に行われた日本男子ツアーのKBCオーガスタで伊藤誠道が14歳21日で最年少予選通過した。これまでの伊藤涼太の14歳2カ月より約1カ月も若い記録になった。結果は通算3オーバーの66位だったが最後まで堂々たるプレーぶりで、「石川(遼)先輩が道を切り開いてくれたおかげ」と感謝の言葉を述べていたのが印象的だった。というのも僕の中では石川もまだ18歳の高校生。最も若いプロゴルファーという認識が強くあり、”先輩“というイメージがなかったからだ。
 振り返れば石川がプロの試合で初優勝を飾ったのは15歳。早いものであの日からすでに2年以上が経っている。その間にジュニア世代から「ネクスト遼」が続々と現われ、最近では実力派ジュニアゴルファーの台頭が目立ってきた。


年少化傾向は日本だけにとどまらず世界的な傾向となってきた・・・


 こういった年少化の波は日本でとくに顕著に見られるが、日本に限らず世界的な傾向となっている。世界のゴルフ界で年少化の波を感じる出来事が次々に起こっているのだ。08年から欧州ツアーにフル参戦した北アイルランドのローリー・マクロイは18歳、史上最年少でシード権を獲得した。今年2月のドバイ・デザート・クラシックで欧州ツアー初優勝を決めた時は19歳で世界ランク16位まで一気に上り詰めた。今季のメジャー4試合すべてに予選通過を果たしたのは、わずかに12選手のみ。マクロイはその中の一人のみならず、全米オープンで10位タイ、全米プロでは3位タイと大活躍だった。
 アマチュアゴルファー世界一を決める全米アマチュア選手権の優勝者は翌年のマスターズ、全米、全英オープンという3大メジャー大会へ招待される。08年8月、その大会で韓国系ニュージーランド人のダニー・リーが18歳1カ月で史上最年少優勝。それまでの記録だった94年のタイガー・ウッズ(18歳7カ月29日)を6カ月29日も更新した。リーは今季アマチュアとして欧州ツアーにも参戦し、2月23日ジョニー・ウォーカー・クラシックでプロの試合に初優勝。リー・ウェストウッド、コリン・モンゴメリー、アンソニー・キム、カミロ・ビジェイガスら強豪と競り合い逆転、という劇的な展開だった。
 しかも、ここでも最年少優勝記録を更新、18歳213日の新記録を樹立した。これまでの最年少優勝は1971年のスペインオープンに勝ったデール・ヘイズの18歳290日。リーはマスターズ終了後にプロ転向し、現在は欧米両ツアーで奮闘中だ。


全米アマでは2年連続して最年少優勝記録が塗り替えられた・・・


 リーの優勝から1年、全米アマでは早くも最年少記録が塗り替えられるという驚きの出来事が起こった。優勝したのは韓国の安ビョンホンで17歳11カ月の高校生だ。6歳でゴルフを始め、3年半前からより良い練習環境を求めて渡米、フロリダ州ブラデントンに在住。父親の安宰亭(韓国)、母親の焦志敏(中国)はともに88年のソウル五輪の卓球メダリストで、国際結婚し誕生した一人息子がビョンホンである。父は渡米し息子と同居、キャディーもつとめている。186センチ、96キロと恵まれた体型で、ドライバーの長打力はすでに評判だ。
 今年6月の全英アマでも史上最年少優勝記録が生まれていた。優勝者はイタリアのマッテオ・マナセロという16歳の選手だ。全英オープンでも13位タイでローアマに輝く大活躍で、しかも60年ぶりに史上最年少記録を更新した。


ツアー初優勝、ツアー5勝目の最年少記録はいずれも石川遼が達成・・・


 日本の10歳代中盤のゴルファーの活躍は米PGAツアーの最年少記録と比較するとより一層際立っている。最年少優勝はジョニー・マクダーモットの19歳10カ月で1911年の全米オープンだった。石川遼の15歳でのツアー優勝は4年も若いのだ。またツアー5勝をマークするまでの最年少は20歳10カ月のホートン・スミス、2番目はタイガー・ウッズの21歳5カ月20日。ツアーの違いはあるものの、9月初旬に石川がフジサンケイクラシックで17歳11カ月20日でツアー5勝目を挙げ、この記録を大幅に塗り替えてしまった。 最年少予選通過は15歳8カ月20日のボブ・パナシックで1957年カナディアン・オープンで記録。今回の伊藤誠道君はそれより1年7カ月も年少だ。トーナメント最年少出場は14歳2カ月29日。04年のソニー・オープンで選手は女性のミシェル・ウィーだった。


タイガーに憧れた世代から石川遼に憧れる次世代が登場・・・


 伊藤誠道の言葉からもわかるように、僕たち年長者は石川のさらなる成長を期待し、見守ることになるのだが、石川より若い世代にとって石川は憧れであり、目標となっている。17歳の若さで4大メジャーのうちの3試合、マスターズ、全英オープン、全米プロでプレー。日本人選手としては今季もっとも多くのメジャー・トーナメントに参加した選手である。
 全米プロ選手権では見事に予選通過を果たし、経験を重ねるごとにより良い結果を出し、ますます成長を遂げている。タイガーがプロに転向し、彼に憧れゴルフを始めた「アイ・アム・タイガー・ウッズ」の子供たちが世界中に現われた。石川もそのひとりだが、月日は流れ、今度は石川に憧れる世代が登場した。
 日本は長いゴルフの歴史を誇りながら世界で活躍する選手の輩出が決して多い方ではなかった。しかし、最近のジュニアの目覚しい活躍を目の当たりにすると近い将来の日本人ゴルファーの大活躍を期待してしまうのである。