第77回佐渡充高のワールドツアーリポート

ゴルフがオリンピック競技に復活か?運命の日(10月9日)が迫ってきた・・・
2016年、ゴルフが五輪競技に復活するか否か、運命の日が迫ってきた。6月15日にスイスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)の加盟審査会で競技復活を推進する国際ゴルフ連盟(IGF)が最後のプレゼンテーションを行った。
五輪は世界で数十億人が視聴し、その影響は計り知れない。ゴルフが真のグローバルスポーツになるために復活は何としても果たせねばならない。加入申請をしているのはゴルフの他7競技団体(野球、空手、ソフトボール等)だ。
8月13日の理事会で2競技に絞られ、10月9日の総会で過半数の賛成を獲得すれば正式種目として認められる。そうなれば男子は1904年セント・ルイス大会以来112年ぶり、女子は1900年パリ大会以来116年ぶりの復活ということになる。
オリンピックにおけるこれまでのゴルフの歴史はあまりにも乏しかった・・・
これまでゴルフは五輪の正式種目として2回、付属競技として1回行われた。付属競技としては1936年のベルリン大会(昭和11年)で開催された。競技委員長だったアドルフ・ヒトラーが母国アーリア人の優秀さを示す場を設けるために「ヒトラー・カップ・アマチュア・ゴルフ・トーナメント」を行ったのだ。
女子のゴルフは1900年第2回パリ大会(明治33年)で初めて正式種目として認められた。パリ大会は女子の参加が初めて認められたことでも意味があった。同大会の参加は13の国と地域から総数1225人で、そのうち女子はわずか19人とされ、規模は昨年の北京五輪の10分の1といったところだ。
女子ゴルフには10人が参加。競技は9ホールのストロークプレーで行われた。優勝は「49」でプレーした22歳の米国人マーガレット・アボットでゴルフ史上唯一の女子金メダリストとなった。
というのも女子ゴルフが開催されたのはパリ大会のただ1回だけだったからだ。ちなみにアボットは留学でパリに滞在中で、競技が行われると知り参加。たまたま来ていた母メアリー(スコアは65で8位)も参加し、「同一年度、同一種目で親子出場」という五輪史上極めてまれな記録を残した。
にもかかわらず、アボット母娘は快挙を達成していたことを知らずに他界。というのも、出場したのが“五輪”だったという認識がなかったのだ。パリ大会は同時期に世界万博が開催されていた影響で五輪自体が付属競技扱い。開会式も閉会式もなく、資料もほとんど残されていないほどずさんな大会だった。
ゴルフ復活の可能性は高い!その理由はこれまでの問題をすべて改善・・・
ゴルフの五輪種目へ復活の可能性は?私は今回はかなり高いと思っている。これまでIGF(国際ゴルフ連盟)が尽力してきたが、ことごとく失敗。96年のアトランタ大会では復活目前まで迫っていたが開催コースをマスターズの舞台、オーガスタ・ナショナルGCに決めたことが失敗の理由だった。同コースは女性メンバーを認めておらず、性差別が残るコースでの開催は認められなかったのだ。
2000年の「シドニーで復活を」をスローガンに豪州のグレッグ・ノーマンを前面に立てて再アピールしたが、これまた失敗。各国の最強メンバー、つまりトッププロの参加の保障ができなかったからだ。当時のIGFにはプロゴルフの団体が加盟しておらずプロゴルフツアーの日程のコントロールができなかったのだ。
今回はこの2点を完璧なまでに改善。IGFは五輪復帰のために世界のプロゴルフツアーにも参加を呼びかけ、米、欧、豪、南ア、アジアPGAツアーと日本ゴルフツアー機構によるPGAツアー国際連盟を結成。プロゴルフツアーを統括する団体の協力を得たことでトッププロの日程を調整することも可能になった。
タイガー・ウッズやフィル・ミケルソンらトッププレーヤーも積極的に協力する意向だ。さらに今年の6月、中国、韓国プロゴルフ協会、インドPGAツアーと女子の米、欧、日、豪、韓、アジアのLPGAが加盟したことがゴルフの国際化と機会均等をアピールすることとなった。
同連盟はアニカ・ソレンスタムとコリン・モンゴメリーを五輪大使に据え、今回の理事会でもスピーチ。ジャック・ニクラスはビデオメッセージで強く訴えるなど、かつてない最強のアピールを続けている。
5年後の男女同一コース開催の全米オープンはオリンピックのリハーサル・・・
またIGFの中核となる米国ゴルフ協会(USGA)は主催する全米オープンの男女同一コース開催を発表した。2014年大会はノースカロライナ州パインハーストのナンバー2コースで男子の大会を開催し、翌週に女子の試合を開催する。他の多くの種目がそうであるように、ゴルフも男女が同一コースでの競技が可能であることを示す。あとは実際に開催することが五輪への最終調整で、今回はIOCから「NO」といわれる理由がないように徹底しているのだ。



