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第59回メンタルゴルフ革命

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3年前のプレーが乗り移るディジャブ現象が勝因の一つとなった


 7月に行われた女子ツアー「明治チョコレートカップ」は韓国の全美貞が2位に6打の大差をつけ圧勝。今季2勝目を飾りました。
 この勝因の一因は脳の持つイメージ能力を全が最大限活用したことにあると、私は考えています。実は全の日本におけるツアー初優勝が3年前のこの大会で、当然思い入れも深く、勝利者インタビューで全は次のようなコメントを残しました。
「3年前に初優勝したときと風とかの雰囲気がすごく似ていて…。ショットも3年前と同じ所に落ちてくれて…。アレ同じだなんて思いでプレーできました」。
 この話で分かるように3年前のプレーが乗り移るディジャブ現象が勝因となったのです。ここでいうディジャブとは日本語では「既視感」と訳され、心理学的に過去に体験した想い出がそっくりそのまま蘇り、それがプレーとして再現される心理現象のこと。つまり彼女の脳はコースレイアウトのみならず、3年前のプレーのほとんどすべてを記憶しており、その再現があまりにもリアルであるため、すぐその後に起こるプレーまで予見できる錯角に襲われ、それがいい結果に結びついたと考えられるのです。3年前のスコアが71、70、67の8アンダー。今回のスコアが71、68、68の9アンダー。驚くほど似ています。記憶がディジャブのように蘇り、いいプレーの再現性が高まると結果もほぼ同じようなものとなるのです。


イメージ能力を最大限に活用したジャック・ニクラス


 スコアアップを望むなら、今回の全のようにあなたがすでに保有しているはずのイメージ能力を最大限活用するべきです。
 このイメージ能力の活用で成功を収めたゴルファーの典型例としてあげられるのは、帝王ジャック・ニクラスです。彼はショット前にイメージの中で最高のボールを打ってからアドレスに入る習慣を身につけていました。
「ショットを打つとき私はまずボールの後方に立ち、理想的なボールの軌道をイメージの中に描きます。心の中でその弾道のボールを打った後アドレスに入るのです。だから実際のプレーは、心の中で打ったショットの確認作業にすぎないのです」とニクラスは語っています。
 同じボールを打つ作業でも、何も考えないで打つのと、ニクラスのように最高のイメージを描いてから打つのとでは、結果はまったく違ったものになります。
 それでは全やニクラスのようにイメージ能力を上手に活用する具体策を紹介します。
 これは私が指導している数人のツアープロに毎日やってもらっている代表的なメンタルトレーニングの一つです。
 私が「映画を観るトレーニング」と呼んでいるもので、まずソファに座って目を閉じて大きく深呼吸。そして具体的なホールを描いてイメージの中でショットをします。ここで大切なことは最高のショットを描くことで、もしあなたがミスショットのシーンを描いてしまうと、脳はそのショットを記憶して実際のプレーでそのプログラムを作成してしまう可能性が高いからです。アメリカの高名な心理学者マックスウェル・マルツ博士が「人間の脳は、実際の出来事と現実と同じくらい鮮明に描いたイメージとの区別がつかない」といっているように、ミスショットのイメージは頭から消し去ることが大事なのです。
 次に素振りを交えて同じイメージトレーニングをします。自宅の部屋でやるわけですからクラブを持つ必要はありません。実際のアドレスをとり、目を閉じて最高のショットを脳裏に思い浮かべながら素振りします。より強く、理想の弾道で飛んでいくボールがイメージされ、脳は常にナイスショットのプログラムを作成。次のラウンドでこのイメージが生かされることになるでしょう。
 ゴルフ練習場での打球練習、コースでのラウンドに加えて、このイメージトレーニングを練習メニューに入れてください。あなたのゴルフに奇跡が起こるかもしれません。


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