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第57回メンタルゴルフ革命

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イップスは練習熱心な上級者ほど陥りやすい


 女子ツアーの開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」は、最終日トップでスタートした三塚優子が2位に2打差をつけてそのまま逃げ切りツアー3勝目を飾りました。
 しかし、5バーディ、5ボギーという出入りの激しいゴルフで、とくに14番、15番と続けて1メートルほどのパットを外して連続ボギーとしたときは、そのまま崩れてもおかしくない状況だったといえましょう。
 このショートパットの連続ミスを三塚は「(イップスの)話は聞いていたが、自分の手が震えるようになるとは思わなかった」と話しています。
 イップスとは、パットで手が動かなくなり満足なストロークができなくなる症状のことですが、イップスを経験したビッグネームは実は大勢います。ベン・ホーガン、ベルンハルト・ランガーが典型例といえるでしょう。この二人の共通点は輝かしい成績を残しただけでなく、練習熱心で誠実なゴルファーだということ。つまり上級者レベルの優れたゴルファーで、ゴルフに真剣に取り組む真面目なゴルファーほどイップスにかかりやすいのです。つまり三塚が緊張のあまり腕が震えたのは、彼女が素晴らしい才能を持った、しかも練習熱心な向上心の強いゴルファーであるという証なのです。
 その後の三塚ですが、この極度の緊張を抑えるため、無理矢理笑顔を浮かべてプレーすると決め、緊張をほぐしたことで16番からは3ホールすべてをパーで切り抜け、後続を振りきって優勝を成し遂げたのです。
 この三塚の行為はイップス克服の一つの方法なのですが、次にイップスとはどのような現象なのか説明しましょう。


イップスからサヨナラできる特効薬とは


 イップスとは、極度にプレッシャーがかかった状況で、「このパットが外れたらどうしよう」と考えたとき、脳からの運動を司る出力信号が正常でなくなり、それが度重なると次第に自分の思いどおりの腕の動きができなくなる、つまりスムーズなストロークができなくなってしまう現象です。
 ですからゴルフを始めたばかりのビギナーやスコアに無頓着な人、入れ頃外し頃のパットを外してもまったく気にしない図太い神経の持ち主はイップスとは無縁です。
 逆にパットの上手いキャリア豊かなゴルファー、神経過敏な人、競技志向の強いクラスのゴルファーはイップス予備軍といえましょう。これまでうまくいっていたパットがなぜか急に入らなくなった―理由が分からずに悩み始めた、といったケースが危険です。
 それではイップスに陥ったとき、それを克服する具体策をお教えしましょう。
 まず、「カップにボールをいれなければ…」という欲を捨てることです。「正しいストロークをすればボールはカップに沈み込む。たとえカップを外れてもグリーンが悪かっただけ」という気持ちでアドレスに臨んでください。欲が不安を呼び起こし、極度にそれが高まると恐怖が襲ってきて、腕に異変を起こすことになるのです。ですからラウンド前の練習グリーンではカップにボールを入れるのではなく、正しいストロークをすることに集中してください。あえてカップを狙わずに正しいストロークをすることに専念すればイップスの症状は間違いなく軽減されていきます。
 さらにラウンド中はスコアを忘れてゴルフそのものを楽しんでほしいのです。三塚が笑顔をつくって気分転換を図ったように…。イップスの徴候が出たときには、とにかくリラックス。緊張の糸が解ければ脳の不安や恐怖が取り除かれ、最後の3ホールで三塚が体験したようにイップスは見事に姿を消してしまうのです。
 こうした工夫がイップス訣別に大きな効果をもたらしてくれるでしょう。

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