第70回佐渡充高のワールドツアーリポート

2009年 米ツアーでいよいよレボルーションが始まる・・・
08年はベテラン・実力者が活躍。
09年はニューフェースが台頭の予兆・・・
米ツアー08年の賞金王は45歳のビジェイ・シン、最多優勝は4勝のタイガー・ウッズ(32)。年間平均最少ストロークの選手に与えられるヴァードン・トロフィーはフィル・ミケルソン(37)など主要なタイトルはベテランや実力者が独占する”おなじみ“の形になった。しかし、09年はニューフェースの台頭でこれまでの構図が崩れ、劇的変化の気配が漂っている。
胸の手術後4カ月でマスターズ衝撃Vのイメルマン・・・
その予兆は08年初春から始まった。マスターズでの南アの新星トレバー・イメルマン(28)の衝撃Vだ。彼は06年から米ツアーに参戦。108回の歴史を誇るウェスタン・オープンで初優勝、そのシーズンの新人王に輝いた。しかし、07年から胸に違和感を覚え、検査の結果、腫瘍が横隔膜を圧迫していることが判明。12月中旬に摘出手術を受け、リハビリが長引き開幕戦に間に合わず、序盤は調子が上がらなかった。
ところが、出場をも危ぶまれていた彼がメジャー第1戦のマスターズでタイガー・ウッズら強豪を抑え鮮やかな逃げ切り優勝。本命を退ける大活躍でゴルフ界に大センセーションを巻き起こした。
ツアー2勝。超アグレッシブさが魅力のアンソニー・キム・・・
中盤に入ってからは5月のワコビア選手権で22歳のアンソニー・キムがツアー初優勝。打倒タイガーを目標に自らをライオン・キムと名乗り、プレースタイルは超アグレッシブで恐れ知らず。同大会においても首位に躍り出ても攻撃の手を緩めず13アンダーまでスコアを伸ばし2位ベン・カーティスに7打の大差をつけての圧勝だった。
勢いは留まることを知らず6月のAT&Tナショナルでも逆転優勝。同大会はタイガーがホストの大会でタイガーを直接倒せる絶好のチャンスだった。が、タイガーは全米オープン直後に左ひざの手術でツアーを離れることを余儀なくされ、キムは優勝したにもかかわらず「まだタイガーを倒していない!」と発言。
キムの優勝を自宅のテレビで見ていたタイガーはキムの携帯に祝福の電話をかけ、次の対決の約束をした。9月のライダーカップでは栄誉ある米国代表選手に選ばれて大活躍、優勝のラッキーボーイ的な役割を果たした。彼の勢いはまだまだ続くどころか、09年はさらに躍進を遂げそうだ。
トッププロを撃破!プレミア試合で2勝のビジェイガス・・・
終盤には南米コロンビアのカミロ・ビジェイガス(26)が念願の初優勝。それも参加人数が絞り込まれるプレーオフシリーズ3戦目のBMW選手権だった。
会場は名門ベルリーブCC(ミズーリ州セントルイス)。大会初日は豪雨で中止。3日目に36ホールをプレーする変則日程に変更となった。最終18番では左バンカーをキャリーで超える330ヤードのスーパードライブ!
追い上げるジム・フューリックやアンソニー・キムの度肝を抜いた。通算15アンダーで接戦を制しての初優勝だった。彼はトップ中のトップである上位30選手に絞り込まれた最終戦のツアー選手権でも魅せてくれた。
ライバルのセルヒオ・ガルシア(28)とプレーオフに持ち込み1ホール目で逆転勝ち。プレーオフシリーズ4戦中2勝とドラマティックな快挙を達成し、来季への期待を大いに抱かせた。
悲願のメジャー優勝、タイガーに最接近のガルシア…
最終戦で惜敗したガルシアだが、来季はいよいよ悲願のメジャー優勝へ最接近している。準メジャーのプレーヤーズ選手権に優勝しメジャー制覇の期待がかかったが、08年は全米プロ選手権で優勝争いに顔を出したものの2位に甘んじてしまった。
しかし、好調は続き、11月から始まった欧州ツアーの開幕戦HSBC香港オープンに優勝し賞金ランクでは1位に躍り出た。加えて世界ランクもフィル・ミケルソンを抜いて2位になった。
19歳で鮮烈プロデューを飾ったが、月日の流れは早いもので09年1月9日で29歳に。「09年は20歳台のラストチャンス」とし、特別な年となるよう奮起している。
彼らを迎え撃つタイガーは現在もリハビリ中だ。コース設計でメキシコを訪れたり、スポンサーとの懇親会に顔を出したり、12月末頃には夫人の第2子出産を控えている。ゴルフは年内はアプローチやパットの練習までにとどめ、年が明けて1月からスイングを始める予定だ。
ドライバーを振れるようになるのは1月終盤か2月初めの予定で、親友のマーク・オメーラの話では「復帰は2月中旬?」とのことだ。09年はタイガーの復帰後のプレーぶり、ベテランの活躍以外に成長著しいニューフェースたちの活きのいいゴルフが楽しみだ。若い世代が実力者を脅かすレボルーションの年になりそうである。




