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第55回メンタルゴルフ革命

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J・M・シンの活躍を支える驚異の集中力


 08年の男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」でジープ・ミルカ・シンが逆転で大会2回目の優勝を飾りました。
 彼の優勝はメンタルトレーナーである私にとってもかなり衝撃的なものでした。実は大会直前の12月2日に愛妻のシドラ夫人が第一子を流産したのです。この突然の不幸の報に大会前ほとんどの選手は「彼は出場しない」と思ったようですが、シンは大会会場に現れ、ほとんど練習せずにぶっつけ本番で試合に臨みました。「亡くなった赤ちゃんのためにもゴルフしてきて」というシドラ夫人の後押しがあったからです。
 最終日のシンはほぼ完璧なプレーを見せ、終始冷静でした。不幸による動揺などは全くなかったのです。
 この大会の優勝だけでなく、08年のシンは素晴らしい成績を残しました。日本ツアーの2勝を含む4勝以外に、メジャーでもマスターズ25位、全米プロ9位、11月のシンガポールオープンではアーニー・エルス、パドレイグ・ハリントンといった超一流を倒して優勝しています。
 シンの活躍はぶっつけ本番だった日本シリーズでもわかるように並はずれた集中力の賜であると私は考えています。
 その集中力の秘密は、数年前から行っているヨガにあるようです。彼は毎日、ヨガのトレーニングを欠かさず、さらに滞在先のホテルでは毎日お香を炊いてお祈りするそうです。つまり自分を瞑想状態に導いて精神を安定させ、また集中力を鍛えるために暗い部屋でロウソクの火を2分間瞬きをせずに見続けるといいます。
「2分間、じっと炎を見続けるんだ。涙がダラダラこぼれてくるけどその間は絶対に瞬きをしない。もし瞬きしてしまったら、もう一度はじめからやり直すんだ」と語っていますが、月曜と火曜の二日間はクラブを握らず休養に充て、本番における心理面と体調面を最高の状態に持っていくメンタルスキルも彼は併せ持っています。これがシンの活躍を支えているのです。


「残像トレーニング」で集中力を高めよう


 それではシンのような集中力を身につける具体策として、私が推奨する「残像トレーニング」を紹介します。
 まずゴルフボールにカラーペンで好きなマークを描いてください。そしてマークが見えるようにボールを机に置き、リラックスして椅子に腰を掛けて、ゆったりした気持ちで深呼吸したあと明るい照明の下で、できればシンのように瞬きしないでこのマークを注視します。そして20?30秒間マークを注視したあと目を閉じます。すると不思議なことに、そのマークの残像が額のあたりに、しかも補色として鮮やかに脳裏に浮かび上がってきます。例えば緑色を注視すると鮮やかなオレンジ色が浮かび上がってくるはずです。その残像イメージが完全に消え去るまで、目を閉じたままその残像に意識を集中させてください。
 ゴルフはショット前のプリショット・ルーティンからスイングを完了するまでの20?30秒間の集中力が求められるゲーム。これは格好のトレーニングになります。
 ラウンド中の待ち時間を活用して何度でも行えるので、バッグにボールを入れておき、一日数回繰り返しましょう。シンのように集中力が高まり、スコアアップに大いに貢献してくれるはずです。


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