第53回メンタルゴルフ革命

平常心こそゴルフ上達の最大の武器
男子ツアーの「コカコーラ東海クラシック」は、武藤俊憲が池田勇太とのデッドヒートの末、最終18番のバーディで池田を退けツアー2勝目を飾りました。
後半9ホールは稀に見る二人のマッチレース。一進一退の戦いが続き、最終18番の長いミドルホールのティグラウンドに来たとき、二人は通算10アンダー。まさしく最後の勝負ホールを迎えたのです。こういうケースでは技術もさることながら、プレーヤーの心理状態が勝敗の明暗を分けることが大いにあります。
池田の第1打は左ラフ、そして第2打は池に吸いこまれました。対する武藤はピン横3メートルに2オン。武藤はこのパットを沈めてバーディ。結局池田を2打突き放して勝利をもぎとったのですが、勝負は第1打、第2打で決着していました。
池田はツアーでV争いしたことのない新人。おそらくプレッシャーや力みがあったことは否めません。465ヤードという長いミドルを攻略するため距離優先で打ち、ラフ。このミスによるあせりが次のミスを呼ぶ。平常心がどこかにスッ飛んでいたに違いありません。池田が第1打をフェアウェイキープしていたらゲームはもっともつれていたはずですが、池田のミスが武藤を優位に立たせ、彼は平常心を失うことなく、第1打からパットまで最高のプレーを見せました。結果としてVパットとなった3メートルの距離は平常心なくしては簡単に入るものではないでしょう。
このコラムでも再三触れてきましたが、平常心こそゴルフを上達させる武器なのです。
では、平常心とは何か。私の定義は「どんな状況であっても同じように無の境地でアドレスに入ること」です。ゴルフはあまりにも考える時間が与えられ過ぎているため雑念がどんどん脳裏に湧き上がってきます。目の覚めるようなボールを打ちたい、ライバルに勝ちたい、といった欲が平常心を狂わせるのですが、プロはともかくアマチュアは、他人との駆け引きを捨て自分にとっての最高のゴルフをすることに徹することです。
クラブヘッドがボールを捕らえるインパクトに意識を集中させよう
プレッシャーのかかる状況で平常心を保つためには、普段からの努力、工夫が必要です。
まず練習場でボールを打つとき、クラブヘッドがボールを捕らえるインパクトに集中してください。脳裏に浮かび上がる人間の意識は同時に一つしか存在しませんから、クラブヘッドがボールにコンタクトする1万分の数秒というインパクトに意識を集中してボールを打ちこむのです。そして実際のラウンドでも、あらゆるショットでインパクトに心を奪われる習慣をつけます。そこに雑念が介在する余地はありません。これを繰り返すと平常心という感覚が養われ、気がつくと平常心でいられる自分を発見できるようになります。
さらに平常心を維持するためには「あらゆるショットは等価である」という事実を理解することです。大事なショットとそうでないショット、あるいはプレッシャーのかかるショットとそうでないショット。そんな区別はラウンドには存在しません。どんな状況でも「あらゆるショットは等価である」ことを思い起こしてボールを打つことにだけ専念してください。プレッシャーは自然に消えていくでしょう。
表に平常心を維持する具体策をまとめました。普段からこのような心構えでプレーすることにより、あなたも武藤のように平常心を手にすることができるのです。

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