■名医訪問 “21世紀の国民病”と言われるC型肝炎に新視点「アタック療法」
医療法人社団 古賀クリニック 院長
医学博士
日本内科学会認定医
古賀一誠先生
Dr. Issei KOGA
こが いっせい
1945年生まれ。71年九州大学医学部卒業。同年九州大学医学部
放射線治療科入局(77年まで在籍)。83年横浜市鶴見区に古賀ク
リニックを開業。翌年医学博士号を取得。鶴見区医師会の副会長など
を歴任。
C型肝炎ウイルスの脅威
ここ数年、薬害によるC型肝炎の救済が社会的問題となり、私たちは改めてその病気の怖さを知ることになりました。患者さんたちの声は切実なものがあり、その病気の難しさ、大変さに驚かざるを得ませんでした。実際、肝臓というのは500種類もの働きをしているそうですが、最も重要な働きは体内から有害物質を排除する働きだそうです。それが機能しなくなると、有害物質が脳などにまわって、私たちの生命が危険な状態に陥ることもあるそうです。
人間の体に必要な栄養分(糖質、タンパク質、脂肪、ビタミンなど)の生成や貯蔵・代謝を行う肝臓。そして解毒作用が行われなければ、活力も生まれず非常につらい生活を送らなければなりません。その機能を奪うC型肝炎ウイルスの保菌者が日本国内に260万人もいると言われています。まさに“21世紀の国民病”と言ってもおかしくはありません。
そしてその感染を自覚しないまま症状が進んでしまう人がほとんどだと言われています。10?30年で約4分の1が肝硬変や肝ガンに進行するそうです。C型肝炎から肝硬変、そして肝ガンに進行すると、治療法も限られて非常に治りにくいと言われています。
横浜市の住宅街に開業して25年を迎えた古賀クリニック(内科、小児科、放射線科、リハビリ科)の古賀一誠先生は、多くのC型肝炎の患者さんと接しています。
「私の義理の弟が肝炎になり肝ガンまで進行しました。それでいろいろ研究し始めたのです。いろいろ研究を重ね、現代医療を補完する『統合医療』に注目したのです。確かにインターフェロンはウイルスの増殖を抑えたり排除してC型肝炎にはいいのですが、副作用もありますし効かない人もいます。また治療にお金がかかります。副作用は人によって違いますが、脱毛や呼吸困難、甲状腺機能異常などをもたらします」と古賀先生。
統合医療というのは、西洋医学に限界を感じるなかで、代替医療も視野に入れ、西洋医学と代替医療を組み合わせて行われるものです。
統合医療によるアタック療法
C型肝炎ウイルスはその遺伝子の違いによって、1a、1b、2a、2bなどのタイプに分類さています。日本人に多いのは1b型(70%)で、インターフェロンが効きにくいタイプと言われています。
そこで古賀先生は、自己インターフェロンの産生能を高めることに注目したのです。もともと健康な人は自分でインターフェロンを作り出す能力は備わっているのですが、肝炎になるとこれが十分につくれずにウイルスの増殖を防ぐことができなくなるのです。
「免疫性を高める腸内細菌には注目していたのですが、それを食物で代用するとなると相当量が必要なってしまいます。そこで、効果的なものとして乳酸菌のエンテロコッカス フェカリスFK?23菌に注目して“アタック療法”を始めたのです」
古賀先生は、薬剤投与で効果が見られなかった患者さんや、インターフェロン療法が受けられない患者さん、あるいはインターフェロンの副作用を避けたいという患者さんに摂取を勧め、肝機能があきらかに改善してきたことを目の当たりに見てきたそうです。
「患者さんには西洋医学の療法をじっくり説明したうえで、タイミングを見てアタック療法を勧めています。初期段階で摂取量を増やし、まず自己インターフェロン産生能を高めウイルスの活動を抑えようというのがアタック療法の狙いです」
インターフェロンが合わない患者さんでも、アタック療法によって約3カ月で肝炎のウイルス量が4700から2043、GOT(AST)は82から26、GPT(ALT)は47から26に低下したということがあったそうです。
地域医療の重要性
古賀先生はまた「地域医療」を非常に重要視されています。地域に根ざした医療は、患者さん一人ひとりと長く対応することで、その人の家族構成、性格、育った環境など患者さんの情報を満遍なく知ったうえで診察ができるという大きなメリットがあるそうです。
「患者さんとのコミュニケーションは重要な診察です。かかりつけの医者として信頼を持っていただけるのは、治療の大きな要素なのです」
そんな古賀先生の心のこもった診療が評判を呼び、セカンドオピニオンを求めて遠くから患者さんがやってくることもしばしばあるそうです。とくにC型肝炎で悩んでいる患者さんは全国に多く、完全予約制による電話無料相談まで始めたそうです。

電話相談をする古賀先生
これは、NPO法人「統合医療と健康を考える会」の協力で、事前に会に申し込んでいただく形で行っているとのことです(無料電話相談の問い合わせは、メールアドレス:info@daitai.netまで)。取材当日も、10分ごとに予約された全国の患者さんからの電話相談が殺到していました。相談では担当のお医者さんには言えなかったこと、聞けなかったことを話す患者さんが多くいるそうです。診療の時に突然に言われ、緊張してしまうのでしょう。時間も経って落ちついてから本当に聞きたいことなど、あるいは自分の不安な気持ちを古賀先生にぶつけてくるそうです。
また古賀先生は24時間体制で、在宅医療を行っています。寝たきりの老人や、神経が麻痺したり脳梗塞などで動けない人など80人以上の御宅に治療に出向いているといいます。地域の病院との連携も取って、在宅医療の必要な患者さんに対応しており、この地域には欠かすことのできない心強い味方と評判を呼んでいます。

























