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2008年10月31日

■名医訪問 “21世紀の国民病”と言われるC型肝炎に新視点「アタック療法」

医療法人社団 古賀クリニック 院長
医学博士
日本内科学会認定医
古賀一誠先生
Dr. Issei KOGA


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こが いっせい
1945年生まれ。71年九州大学医学部卒業。同年九州大学医学部
放射線治療科入局(77年まで在籍)。83年横浜市鶴見区に古賀ク
リニックを開業。翌年医学博士号を取得。鶴見区医師会の副会長など
を歴任。


C型肝炎ウイルスの脅威

 ここ数年、薬害によるC型肝炎の救済が社会的問題となり、私たちは改めてその病気の怖さを知ることになりました。患者さんたちの声は切実なものがあり、その病気の難しさ、大変さに驚かざるを得ませんでした。実際、肝臓というのは500種類もの働きをしているそうですが、最も重要な働きは体内から有害物質を排除する働きだそうです。それが機能しなくなると、有害物質が脳などにまわって、私たちの生命が危険な状態に陥ることもあるそうです。


 人間の体に必要な栄養分(糖質、タンパク質、脂肪、ビタミンなど)の生成や貯蔵・代謝を行う肝臓。そして解毒作用が行われなければ、活力も生まれず非常につらい生活を送らなければなりません。その機能を奪うC型肝炎ウイルスの保菌者が日本国内に260万人もいると言われています。まさに“21世紀の国民病”と言ってもおかしくはありません。


 そしてその感染を自覚しないまま症状が進んでしまう人がほとんどだと言われています。10?30年で約4分の1が肝硬変や肝ガンに進行するそうです。C型肝炎から肝硬変、そして肝ガンに進行すると、治療法も限られて非常に治りにくいと言われています。


 横浜市の住宅街に開業して25年を迎えた古賀クリニック(内科、小児科、放射線科、リハビリ科)の古賀一誠先生は、多くのC型肝炎の患者さんと接しています。


「私の義理の弟が肝炎になり肝ガンまで進行しました。それでいろいろ研究し始めたのです。いろいろ研究を重ね、現代医療を補完する『統合医療』に注目したのです。確かにインターフェロンはウイルスの増殖を抑えたり排除してC型肝炎にはいいのですが、副作用もありますし効かない人もいます。また治療にお金がかかります。副作用は人によって違いますが、脱毛や呼吸困難、甲状腺機能異常などをもたらします」と古賀先生。


 統合医療というのは、西洋医学に限界を感じるなかで、代替医療も視野に入れ、西洋医学と代替医療を組み合わせて行われるものです。


統合医療によるアタック療法

 C型肝炎ウイルスはその遺伝子の違いによって、1a、1b、2a、2bなどのタイプに分類さています。日本人に多いのは1b型(70%)で、インターフェロンが効きにくいタイプと言われています。 


 そこで古賀先生は、自己インターフェロンの産生能を高めることに注目したのです。もともと健康な人は自分でインターフェロンを作り出す能力は備わっているのですが、肝炎になるとこれが十分につくれずにウイルスの増殖を防ぐことができなくなるのです。


「免疫性を高める腸内細菌には注目していたのですが、それを食物で代用するとなると相当量が必要なってしまいます。そこで、効果的なものとして乳酸菌のエンテロコッカス フェカリスFK?23菌に注目して“アタック療法”を始めたのです」


 古賀先生は、薬剤投与で効果が見られなかった患者さんや、インターフェロン療法が受けられない患者さん、あるいはインターフェロンの副作用を避けたいという患者さんに摂取を勧め、肝機能があきらかに改善してきたことを目の当たりに見てきたそうです。


「患者さんには西洋医学の療法をじっくり説明したうえで、タイミングを見てアタック療法を勧めています。初期段階で摂取量を増やし、まず自己インターフェロン産生能を高めウイルスの活動を抑えようというのがアタック療法の狙いです」


 インターフェロンが合わない患者さんでも、アタック療法によって約3カ月で肝炎のウイルス量が4700から2043、GOT(AST)は82から26、GPT(ALT)は47から26に低下したということがあったそうです。


地域医療の重要性

 古賀先生はまた「地域医療」を非常に重要視されています。地域に根ざした医療は、患者さん一人ひとりと長く対応することで、その人の家族構成、性格、育った環境など患者さんの情報を満遍なく知ったうえで診察ができるという大きなメリットがあるそうです。


「患者さんとのコミュニケーションは重要な診察です。かかりつけの医者として信頼を持っていただけるのは、治療の大きな要素なのです」


 そんな古賀先生の心のこもった診療が評判を呼び、セカンドオピニオンを求めて遠くから患者さんがやってくることもしばしばあるそうです。とくにC型肝炎で悩んでいる患者さんは全国に多く、完全予約制による電話無料相談まで始めたそうです。


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電話相談をする古賀先生


 これは、NPO法人「統合医療と健康を考える会」の協力で、事前に会に申し込んでいただく形で行っているとのことです(無料電話相談の問い合わせは、メールアドレス:info@daitai.netまで)。取材当日も、10分ごとに予約された全国の患者さんからの電話相談が殺到していました。相談では担当のお医者さんには言えなかったこと、聞けなかったことを話す患者さんが多くいるそうです。診療の時に突然に言われ、緊張してしまうのでしょう。時間も経って落ちついてから本当に聞きたいことなど、あるいは自分の不安な気持ちを古賀先生にぶつけてくるそうです。


 また古賀先生は24時間体制で、在宅医療を行っています。寝たきりの老人や、神経が麻痺したり脳梗塞などで動けない人など80人以上の御宅に治療に出向いているといいます。地域の病院との連携も取って、在宅医療の必要な患者さんに対応しており、この地域には欠かすことのできない心強い味方と評判を呼んでいます。


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■名医訪問 “21世紀の国民病”と言われるC型肝炎に新視点「アタック療法」

医療法人社団 古賀クリニック 院長
医学博士
日本内科学会認定医
古賀一誠先生
Dr. Issei KOGA


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こが いっせい
1945年生まれ。71年九州大学医学部卒業。同年九州大学医学部
放射線治療科入局(77年まで在籍)。83年横浜市鶴見区に古賀ク
リニックを開業。翌年医学博士号を取得。鶴見区医師会の副会長など
を歴任。


C型肝炎ウイルスの脅威

 ここ数年、薬害によるC型肝炎の救済が社会的問題となり、私たちは改めてその病気の怖さを知ることになりました。患者さんたちの声は切実なものがあり、その病気の難しさ、大変さに驚かざるを得ませんでした。実際、肝臓というのは500種類もの働きをしているそうですが、最も重要な働きは体内から有害物質を排除する働きだそうです。それが機能しなくなると、有害物質が脳などにまわって、私たちの生命が危険な状態に陥ることもあるそうです。


 人間の体に必要な栄養分(糖質、タンパク質、脂肪、ビタミンなど)の生成や貯蔵・代謝を行う肝臓。そして解毒作用が行われなければ、活力も生まれず非常につらい生活を送らなければなりません。その機能を奪うC型肝炎ウイルスの保菌者が日本国内に260万人もいると言われています。まさに“21世紀の国民病”と言ってもおかしくはありません。


 そしてその感染を自覚しないまま症状が進んでしまう人がほとんどだと言われています。10?30年で約4分の1が肝硬変や肝ガンに進行するそうです。C型肝炎から肝硬変、そして肝ガンに進行すると、治療法も限られて非常に治りにくいと言われています。


 横浜市の住宅街に開業して25年を迎えた古賀クリニック(内科、小児科、放射線科、リハビリ科)の古賀一誠先生は、多くのC型肝炎の患者さんと接しています。


「私の義理の弟が肝炎になり肝ガンまで進行しました。それでいろいろ研究し始めたのです。いろいろ研究を重ね、現代医療を補完する『統合医療』に注目したのです。確かにインターフェロンはウイルスの増殖を抑えたり排除してC型肝炎にはいいのですが、副作用もありますし効かない人もいます。また治療にお金がかかります。副作用は人によって違いますが、脱毛や呼吸困難、甲状腺機能異常などをもたらします」と古賀先生。


 統合医療というのは、西洋医学に限界を感じるなかで、代替医療も視野に入れ、西洋医学と代替医療を組み合わせて行われるものです。


統合医療によるアタック療法

 C型肝炎ウイルスはその遺伝子の違いによって、1a、1b、2a、2bなどのタイプに分類さています。日本人に多いのは1b型(70%)で、インターフェロンが効きにくいタイプと言われています。 


 そこで古賀先生は、自己インターフェロンの産生能を高めることに注目したのです。もともと健康な人は自分でインターフェロンを作り出す能力は備わっているのですが、肝炎になるとこれが十分につくれずにウイルスの増殖を防ぐことができなくなるのです。


「免疫性を高める腸内細菌には注目していたのですが、それを食物で代用するとなると相当量が必要なってしまいます。そこで、効果的なものとして乳酸菌のエンテロコッカス フェカリスFK?23菌に注目して“アタック療法”を始めたのです」


 古賀先生は、薬剤投与で効果が見られなかった患者さんや、インターフェロン療法が受けられない患者さん、あるいはインターフェロンの副作用を避けたいという患者さんに摂取を勧め、肝機能があきらかに改善してきたことを目の当たりに見てきたそうです。


「患者さんには西洋医学の療法をじっくり説明したうえで、タイミングを見てアタック療法を勧めています。初期段階で摂取量を増やし、まず自己インターフェロン産生能を高めウイルスの活動を抑えようというのがアタック療法の狙いです」


 インターフェロンが合わない患者さんでも、アタック療法によって約3カ月で肝炎のウイルス量が4700から2043、GOT(AST)は82から26、GPT(ALT)は47から26に低下したということがあったそうです。


地域医療の重要性

 古賀先生はまた「地域医療」を非常に重要視されています。地域に根ざした医療は、患者さん一人ひとりと長く対応することで、その人の家族構成、性格、育った環境など患者さんの情報を満遍なく知ったうえで診察ができるという大きなメリットがあるそうです。


「患者さんとのコミュニケーションは重要な診察です。かかりつけの医者として信頼を持っていただけるのは、治療の大きな要素なのです」


 そんな古賀先生の心のこもった診療が評判を呼び、セカンドオピニオンを求めて遠くから患者さんがやってくることもしばしばあるそうです。とくにC型肝炎で悩んでいる患者さんは全国に多く、完全予約制による電話無料相談まで始めたそうです。


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電話相談をする古賀先生


 これは、NPO法人「統合医療と健康を考える会」の協力で、事前に会に申し込んでいただく形で行っているとのことです(無料電話相談の問い合わせは、メールアドレス:info@daitai.netまで)。取材当日も、10分ごとに予約された全国の患者さんからの電話相談が殺到していました。相談では担当のお医者さんには言えなかったこと、聞けなかったことを話す患者さんが多くいるそうです。診療の時に突然に言われ、緊張してしまうのでしょう。時間も経って落ちついてから本当に聞きたいことなど、あるいは自分の不安な気持ちを古賀先生にぶつけてくるそうです。


 また古賀先生は24時間体制で、在宅医療を行っています。寝たきりの老人や、神経が麻痺したり脳梗塞などで動けない人など80人以上の御宅に治療に出向いているといいます。地域の病院との連携も取って、在宅医療の必要な患者さんに対応しており、この地域には欠かすことのできない心強い味方と評判を呼んでいます。


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■名医訪問 “21世紀の国民病”と言われるC型肝炎に新視点「アタック療法」

医療法人社団 古賀クリニック 院長
医学博士
日本内科学会認定医
古賀一誠先生
Dr. Issei KOGA


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こが いっせい
1945年生まれ。71年九州大学医学部卒業。同年九州大学医学部
放射線治療科入局(77年まで在籍)。83年横浜市鶴見区に古賀ク
リニックを開業。翌年医学博士号を取得。鶴見区医師会の副会長など
を歴任。


C型肝炎ウイルスの脅威

 ここ数年、薬害によるC型肝炎の救済が社会的問題となり、私たちは改めてその病気の怖さを知ることになりました。患者さんたちの声は切実なものがあり、その病気の難しさ、大変さに驚かざるを得ませんでした。実際、肝臓というのは500種類もの働きをしているそうですが、最も重要な働きは体内から有害物質を排除する働きだそうです。それが機能しなくなると、有害物質が脳などにまわって、私たちの生命が危険な状態に陥ることもあるそうです。


 人間の体に必要な栄養分(糖質、タンパク質、脂肪、ビタミンなど)の生成や貯蔵・代謝を行う肝臓。そして解毒作用が行われなければ、活力も生まれず非常につらい生活を送らなければなりません。その機能を奪うC型肝炎ウイルスの保菌者が日本国内に260万人もいると言われています。まさに“21世紀の国民病”と言ってもおかしくはありません。


 そしてその感染を自覚しないまま症状が進んでしまう人がほとんどだと言われています。10?30年で約4分の1が肝硬変や肝ガンに進行するそうです。C型肝炎から肝硬変、そして肝ガンに進行すると、治療法も限られて非常に治りにくいと言われています。


 横浜市の住宅街に開業して25年を迎えた古賀クリニック(内科、小児科、放射線科、リハビリ科)の古賀一誠先生は、多くのC型肝炎の患者さんと接しています。


「私の義理の弟が肝炎になり肝ガンまで進行しました。それでいろいろ研究し始めたのです。いろいろ研究を重ね、現代医療を補完する『統合医療』に注目したのです。確かにインターフェロンはウイルスの増殖を抑えたり排除してC型肝炎にはいいのですが、副作用もありますし効かない人もいます。また治療にお金がかかります。副作用は人によって違いますが、脱毛や呼吸困難、甲状腺機能異常などをもたらします」と古賀先生。


 統合医療というのは、西洋医学に限界を感じるなかで、代替医療も視野に入れ、西洋医学と代替医療を組み合わせて行われるものです。


統合医療によるアタック療法

 C型肝炎ウイルスはその遺伝子の違いによって、1a、1b、2a、2bなどのタイプに分類さています。日本人に多いのは1b型(70%)で、インターフェロンが効きにくいタイプと言われています。 


 そこで古賀先生は、自己インターフェロンの産生能を高めることに注目したのです。もともと健康な人は自分でインターフェロンを作り出す能力は備わっているのですが、肝炎になるとこれが十分につくれずにウイルスの増殖を防ぐことができなくなるのです。


「免疫性を高める腸内細菌には注目していたのですが、それを食物で代用するとなると相当量が必要なってしまいます。そこで、効果的なものとして乳酸菌のエンテロコッカス フェカリスFK?23菌に注目して“アタック療法”を始めたのです」


 古賀先生は、薬剤投与で効果が見られなかった患者さんや、インターフェロン療法が受けられない患者さん、あるいはインターフェロンの副作用を避けたいという患者さんに摂取を勧め、肝機能があきらかに改善してきたことを目の当たりに見てきたそうです。


「患者さんには西洋医学の療法をじっくり説明したうえで、タイミングを見てアタック療法を勧めています。初期段階で摂取量を増やし、まず自己インターフェロン産生能を高めウイルスの活動を抑えようというのがアタック療法の狙いです」


 インターフェロンが合わない患者さんでも、アタック療法によって約3カ月で肝炎のウイルス量が4700から2043、GOT(AST)は82から26、GPT(ALT)は47から26に低下したということがあったそうです。


地域医療の重要性

 古賀先生はまた「地域医療」を非常に重要視されています。地域に根ざした医療は、患者さん一人ひとりと長く対応することで、その人の家族構成、性格、育った環境など患者さんの情報を満遍なく知ったうえで診察ができるという大きなメリットがあるそうです。


「患者さんとのコミュニケーションは重要な診察です。かかりつけの医者として信頼を持っていただけるのは、治療の大きな要素なのです」


 そんな古賀先生の心のこもった診療が評判を呼び、セカンドオピニオンを求めて遠くから患者さんがやってくることもしばしばあるそうです。とくにC型肝炎で悩んでいる患者さんは全国に多く、完全予約制による電話無料相談まで始めたそうです。


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電話相談をする古賀先生


 これは、NPO法人「統合医療と健康を考える会」の協力で、事前に会に申し込んでいただく形で行っているとのことです(無料電話相談の問い合わせは、メールアドレス:info@daitai.netまで)。取材当日も、10分ごとに予約された全国の患者さんからの電話相談が殺到していました。相談では担当のお医者さんには言えなかったこと、聞けなかったことを話す患者さんが多くいるそうです。診療の時に突然に言われ、緊張してしまうのでしょう。時間も経って落ちついてから本当に聞きたいことなど、あるいは自分の不安な気持ちを古賀先生にぶつけてくるそうです。


 また古賀先生は24時間体制で、在宅医療を行っています。寝たきりの老人や、神経が麻痺したり脳梗塞などで動けない人など80人以上の御宅に治療に出向いているといいます。地域の病院との連携も取って、在宅医療の必要な患者さんに対応しており、この地域には欠かすことのできない心強い味方と評判を呼んでいます。


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2008年10月01日

2008年11月号 月刊スーパーゴルフ

2008年10月1日発行  Volume112

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好きなブランドでクラブを統一してみたいアマチュアゴルファーへ
豪華14メーカー 旬のセッティング講座
試打・解説 関雅史


2008最新ゴルフスタイル 秋冬の提案
ラウンド時のフェアウェイスタイルの決め方
プレーにオススメのアイテム


◆[特別企画]
TRAVEL&GOLF
海外ゴルフ&リゾートナビゲーションブック
グアム、韓国、カンボジア・シェムリアップ
中国・厦門(アモイ)、中国・ミッションヒルズ

◆[ブランド探求シリーズ]
Titleist by Drivers
消えてはならないタイトらしさ


◆最先端な飛ばし方
深堀圭一郎のドライバーショット


◆今月のサプライズ


<本当に力がつく連載レッスン>
◆シニアツアー界の飛ばし屋 中尾豊健プロの
50歳からのぶっ飛ばしドライバーテクニック


◆カリスマコーチ増田哲仁プロの門外不出(秘)上達講座
[第53回]上達のための(秘)練習法 (15)


◆ショットの達人 奥田靖己プロが教える
正確無比なアイアンショット・スーパーテクニック
[第32回]ダウンスイング編


<レディスROOM>
◆金谷智美プロの一から始めましょう
[第18回]フィニッシュ編 (2)


<連載読物>
◆ゴルフの薬箱
-いいゴルファーになるための心の指標- 鈴木康之


◆佐渡充高のワールドツアーリポート
パドレイグ・ハリントンは庶民派チャンピオンだ


◆児玉光雄のメンタルゴルフ革命
最高の心理状態をチェックしよう


◆カリスマトレーナー摩季れい子先生の斬新レッスン
[第6回]グリップ編 (2)


◆NEWギア&NEWグッズ


◆今月の逸品&売れ筋ランキング


◆ワインのシングルプレーヤー
スペインワインの神話「ベガ・シシリア・ウニコ」


◆賞賛されるクルマたち
NISSAN TEANA 350XV


◆情報BOX


◆SUPER GOLF BOX


◆コラントッテ・スペシャルプレゼント


◆読者プレゼント

第52回メンタルゴルフ革命

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最高の心理状態でプレーすることの大切さ


 女子ツアー「ゴルフ5レディス」は、最終日首位に2打差の3位でスタートした藤田幸希が5バーディ、ノーボギーの67で回り、首位スタートの全英女子オープンチャンピオン申智愛(シンジエ)を逆転、ツアー3勝目を飾りました。
 この勝利の要因には興味深い話があります。3連覇を目指した6月の「プロミスレディス」で惨敗し、それ以降のトーナメントでゲンを担ぐことを一切止めたというのです。
 そのプロミスでは宿泊するホテルを3年連続同じ部屋を予約し、夕食はハンバーグを食べ続ける。優勝した2年のパターンを崩さないようにしたわけです。ところが初日80の大叩き。3連覇の夢はもろくも崩れ去りました。
 これで藤田はゲン担ぎで勝てるほど勝負の世界は甘くないことをさとり、次の試合からは「ゲンを担ぐようなことは考えず、自分のゴルフだけに集中する」という思考パターンに変えたといいます。
「ゴルフ5」では2日目までリーダーの申が優勝の大本命。マスメディアは当然のように書きたてたのですが、藤田は一切それを無視して「(申のことは)まったく気にしなかった。彼女がどんなゴルフをしようが関係ない。自分のやるべきことを一つずつやっていこうと」という思考パターンを貫き通したのです。
 その結果がバーディ量産の大会新記録の通算13アンダー。目の前のボールを打つことに一点集中。ライバルやスコアのことはもちろん、自分のスイングのことも意識から消し去って最高の心理状態でプレーしたことが勝利をもたらしたといえるでしょう。
 タイガー・ウッズもその思考パターンでプレーしています。「私は”いま“という時間に身を置き、自分が何をすべきかということに全神経を集中させる」と語っています。
 この日の藤田の心理状態はまさにタイガーと同じ。過去も未来も捨て去って「今という一瞬」に没頭する。これこそスコアメイクに欠かせないスキルなのです。
 とはいってもその心理状態を作り上げるのは簡単なことではありません。普段から最高の心理状態に敏感になって、目の前のボールを打つことに意識を集中することを習慣化させなければ藤田やタイガーのようになれないのはいうまでもありません。


できれば4点から5点に○をつけてスタートしよう


 私は『最高の心理状態チェックリスト』を作成してツアープロだけでなく、多くのアマチュアゴルファーに活用してもらっています。
 表のチェックリストをコピーして切り取り、ラウンド前に次の方法で記入してください。
 5つの項目について「はい」に近いなら左側の数字に、「いいえ」に近い場合は右側の数字に○をつけるのですが、ここでのポイントはすべての項目を何度も読み返し、できれば4点から5点の数字に○をつけてスタートすることです。1点ばかりでは最高の心理状態をプレー中保つことはできないからです。
 そしてこの用紙をスコアカードに挟んで持ちラウンド中もときどき読み返し、その心理状態でプレーすることに全力を尽くします。
 ラウンド後は項目別に実際にその心理状態でプレーできたかをチェックしましょう。その採点を合計して25点満点で20点以上なら及第点。スタート前につけた○と実際のプレー後の採点に違いがあれば、その項目があなたの反省すべき点であり、もっと努力が必要というわけです。
 ベストスコアは単なる偶然で出るものではなく、あなたにとって最高の心理状態でプレーできた結果なのです。
 常に自分にとって最高の心理状態に敏感になること。それこそがスコアメイクの切り札となるのです。


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第67回佐渡充高のワールドツアーリポート

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全英オープン、全米プロ勝者のP・ハリントンは庶民派チャンピオンだ!

全米プロで欧州の選手が優勝するのは1930年以来。実に78年振りの快挙!


 今季最後のメジャー試合、全米プロ選手権は北京五輪の影響のため日本でライブ中継されず残念だったが、アイルランド出身、37歳のパドレイグ・ハリントンが歴史的快挙を遂げていた。
 同大会優勝は欧州の選手としては1930年のトミー・アーマー(スコットランド)以来78年ぶりの勝利。同一年度に全英オープンと全米プロ選手権の両大会に優勝したのはゴルフ史上4人目の快挙だった。さらにその前のメジャー、全英オープンで欧州の選手が2連覇するのは1906年のジェームズ・ブレイドまで遡り、なんと102年ぶりというとてつもない優勝を飾った。そんなメジャーチャンプだが”温和で飾らない性格“でいつも優しい空気が流れている。
 ハリントンは1971年8月31日、アイルランドの首都ダブリン生まれ。5人兄弟の末っ子で、父ガンラは警察官で厳格な教育で育った。父の方針で文武両道に励み、ゴルフはアマチュアの最高峰ウォーカーカップの欧州代表に選抜されるほどになった。プロゴルファーはいつ収入が途絶えるかわからないと勉学にも励み公認会計士の資格を取得したあと、23歳でプロに転向したアカデミック・アスリートだ。
 急激に実力を発揮しはじめ、メジャー通算3勝、ワールドワイドで16勝。06年には欧州ツアー賞金王にも輝いた。世界のトッププロでメジャーチャンプともなれば近寄りがたいと思われるが、彼ほど温和で飾らない選手はいない。
 昨年5月、シカゴの通関で大行列の最後尾あたりにTシャツにジーンズ姿のハリントンを見かけた。フロリダ州への乗り継ぎ便に間に合うのは僕のあたりでギリギリだったので「間に合う?」と彼に聞くと「大丈夫だよ」とゆったり構えていた。で、本当に間に合った。彼が搭乗した途端に飛行機のドアが閉まった。
 空港などで一緒になると同行しているティム・クラークらも呼んで「皆で一緒に記念撮影しよう!」ということもあった。出来上がった写真はまるで修学旅行のよう。彼のまわりにはいつもゆったりと優しい空気が流れていている。


ハプニング王子の本領発揮。全英オープンのクラレットジャグを家に置き忘れ!


 最新の大きなハプニングは8月のブリヂストン招待の時だった。全英チャンプは一年を通じて出場試合に優勝トロフィーの「クラレットジャグ」を持参する。関係者や友人、知人とジャグで酒を酌み交わす、という慣わしがあるからだ。ハリントンは意気揚々と大切なトロフィーを持参しアイルランドから米国オハイオ州にシカゴ経由で移動し無事に到着。が、受け取り荷物のコンベアの前で待てど暮らせど大切なトロフィーを入れたトランクが出てこない。
 普通ならここで相当あわてるはずだが、本人は落ち着いて航空会社に荷物紛失の申請をするため列に並んだ。その間になにげなく携帯メールをチェックしてみるとキャロライン夫人からメッセージが入っていた。
「クラレットジャグを入れたトランクを家に忘れています」。
「妻から相当怒られると覚悟していたけど、電話したら呆れて笑っていた」とか。まさにハプニング王子だ。


単独首位に立ちながら失格。プレーオフ進出ながら不参加のハプニングも・・・


 試合においても、今だからこそ笑える出来事があった。2000年の欧州ツアー、ベンソン&ヘッジズ大会3日目のことだった。翌日は2位に5打の大差をつけ単独首位で最終日を迎えることになったのだが、突然、失格を言い渡された。大会初日のスコアカードにサインをし忘れていたことが3日目に分ったのだった。よりによって大差の単独首位で迎える前夜に発覚するとは何とも皮肉。もちろん責任はサインを忘れた本人にあるが、あまりのタイミングの悪さに苦笑するしかなかった。
 98年に豪州で開催されたハイネッケン・オープンでは自分のミスというより不運に見舞われた。最終組の3時間前にホールアウトしたハリントンは、まさか自分が優勝争いに加わるとは夢にも思わずさっさとコースをあとに空港へ向かった。出国手続きを済ませロンドン行きの飛行機を待っていたところ「プレーオフですよ」との連絡が入った。その日の午後は強風が吹き荒れ上位陣が総崩れ。ハリントンが首位タイに上がったのだった。今更、間に合うわけもなく不参加とみなされ、残念ながら3位という結末に終わった。


2連覇達成の全英オープンは左手首の痛みでなんと欠場率50%の危機だった!


 今年の全英オープンは直前まで欠場の危機だった。前週に自宅近くで練習している際、ミスショットに少し腹を立て、クラブでバッグを叩いたところ、しばらくしてから左手首が痛くなってきた。その痛みは本戦直前の水曜日になっても治まらず、練習ラウンドも9ホールしかこなせず。ラフに入った打球はフェアウエーに出して練習するほどの状態だった。
 ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ輝かしい記者会見の席上で「五分五分で欠場の可能性も」と言わねばならなかった。ところが・・・痛みをこらえてプレーしたところ、見事2連覇の快挙!本人もまさかの劇的結末を次のように話した。
「順風満帆、調子が良い時は緊張感が足りなかったり油断したりで結果が伴わない。それより不調や、何かのトラブルがあった方が丁寧に、1打1打を大切にプレーするから良い結果が出るもんだね。かといって不調やトラブルを望んでいるわけではないけどね(笑)」 ハリントンは来季からアメリカにも拠点を置き米ツアーの出場を増やす予定だ。ますますの活躍とハプニングで新たな伝説が生まれるかもしれない。

ニューギアニューグッズ 2008年11月号

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ステイタスモデルを所有する歓び

「インプレスGRX」

(ヤマハ)

 ヤマハは、高級ラインアップ「ニューインプレスGRX」を2年ぶりにモデルチェンジ。「インプレスGRX(ジー・アール・エックス)」として、ウッド、アイアンを10月4日から発売する。シリーズの基本性能を継承しながらベテラン、シニア向けに最適化したモデルで、ドライバーは高反発エリアをさらに拡大した新技術“3X-マルチフェース”を採用。ヘッドの低重心・深重心化と新シャフトの採用でヘッドスピードの高速化と安定した弾道で総合的に飛距離を伸ばした。126000円。またフェアウェイで飛距離を出せる1Wと3Wの中間「パワースプーン」(ロフト16度)を新たに番手に加えている。73500円。
● TEL 0120-808-562


より遠く、狙い通りに飛ばしたいプレーヤーに

「タイトリスト909D2」

(アクシネットジャパン・タイトリスト)

 アクシネットジャパンは、上級者の好む安心感のある洋ナシ形状のミッドディープフェースドライバー「タイトリスト909D2」と中弾道で鋭く飛ばせ、インテンショナルショットを求めるプレーヤーに最適なディープフェースドライバー「タイトリスト909D3」を10月3日より発売する。「D2」はスイートエリアが拡大する逆台形のフェースインサート、ソール部の3つのポケットとヘッドに内蔵されたリブによるクリアな打音、効果的な重量配分で弾道を安定させるフルチタンボディーなどのテクノロジーを搭載。より遠く、狙い通りに飛ばしたいプレーヤーに最適なドライバー。価格はTGシャフトで66150円、ツアーADで71400円、ランバックス6F09で77700円。
● TEL 03(5617)1525


コストパフォーマンスのドライバー

「Lucero(ルセロ)」

(ゴルフパートナー)

 総合ゴルフショップのゴルフパートナーは、マルマンと共同開発した低価格帯新品クラブ「Lucero(ルセロ)」ドライバーを発売。20-30才代のゴルファーを主要ターゲットに高いクオリティとトレンド性を重視しつつ低価格を実現したブランドで、今回のドライバー以降も順次フルラインナップ化を目指す。460cm3の大型チタンヘッドは構えやすく、つかまりの良い形状でスライサーが安心して叩けるのが特徴で、最適の高弾道設計になっている。初心者にもお求めやすい価格は19800円。ロフト角は9.5、10.5度。シャフトはカーボンで45インチ。
● TEL 03(6667)8226


飛びを進化させる5つのテクノロジー

「キングコブラL5V」ドライバー

(アクシネットジャパン・コブラ)

 アクシネットジャパンは、ドライバー性能を決定づける最大化された4つのファクター(ヘッド体積、ヘッドサイズ、反発係数、慣性モーメント)に加え、08年のUSGA、R&Aルール規制による「可変システム」を新たに採用した「キングコブラL5V」ドライバーを10月中旬より発売する。可変システムはコブラが独自に開発した「ホーゼルスリーブ」をヘッドから脱着することでストレート、ドローの2タイプのフェースアングルに可変できるもの。5つのテクノロジーのシナジー効果で安定したショットとさらなる飛距離が得られる。シャフトはツアーAD MD-6など3タイプ。トルクレンチなど付属品付きで価格は69300円。
● TEL 03(5617)1525


アベレージ向けの大きな飛距離性能

「ツアーステージV-iQ PREMIUM SPEC」

(ブリヂストンスポーツ)

 ブリヂストンスポーツは、ヘッドスピードが35-43m/sの飛距離を追求するアベレージが気持ちよく飛ばせるドライバー「ツアーステージV-iQPREMIUM SPEC」を発売。ヘッドに軽比重チタン合金のコンポジット構造を採用した「プレミアムパワーゾーンテクノロジー」で、フルチタンを凌ぐやさしさと飛びの重心設計を実現。スイング軌道を安定させてミート率を高める「ハイスピードスイングエンジン設計」とスクエアインパクトを迎えられる専用シャフトの装着で更なるヘッドスピードアップで大きく飛ばせる。ロフト角9.5、10.5度、HT(11.75度)。シャフトはVD-50P、46.25インチ。94500円。
● TEL 0120-116613


2つのテクノロジー搭載の日本モデル

フットジョイ「GF:IIBoa」

(アクシネットジャパン・フットジョイ)

 アクシネットジャパンは、2009年フットジョイ・コレクションを13モデルのゴルフシューズ、10モデルのゴルフグローブを中心に展開する。そのうち10月から先行発売されるのが日本オリジナルモデルのゴルフシューズ「GF:IIBoa(ジーエフツー・ボア)」。優れた接地力を持つ「ウィッシュボーン・サスペンション・アウトソール」と、ダイヤル操作による緩みのないホールド性が圧倒的な評価を得ている「Boaレーシングシステム」の2つのテクノロジーが一体化されたモデルで、足の力が地面にダイレクトに伝わり、究極のグラウンドコンタクトがプレーを快適にサポートしてくれるシューズだ。ホワイト/レッドなど3色。M、W、XWの3サイズ。オープン価格。
● TEL 03(5617)1525


女性エントリーモデルに新色ピンク登場

「FIGARO PINK」

(マルマン)

 マルマンは、レディスエントリーモデル「FIGARO(フィガロ)」シリーズ08年モデルに新色のピンクを投入「フィガロPINK」を10月10日に限定生産で発売する。高いファッション性と女性エントリーゴルファー特有の「ボールが上がらない、思うように飛ばない、上手く打てない」といった悩みを解消したロングセラーモデルで、今回の「PINK」は機能面ではミート率のアップを主眼に開発されている。ドライバーはロフト角14.5度、42.25インチ。FWウッドは4Wと7W。ユーティリティとアイアンは5/6、7、8、9I、PW、SW。パターのフルセットで参考価格61950円(オープン価格)
● TEL 03(3272)9406


長距離移動に安全、便利

「トラベルキャリー」

(国際興業)

 パワービルトの国際興業は、幅広いゴルファーのライフスタイル、ラウンドスタイルに合わせた機能性の高いオリジナルバッグ、アクセサリーをラインナップしているが、長距離移動の際に便利な「トラベルキャリー」を9月に発売した。ローラーとカーブスライダーを設置、安全に簡単に移動できるほか、クラブヘッド部に当たる部分にはパッドが入り更なる保護、またシューズ収納可能な大型ポケットが付いている。素材はポリエステル×2重ナイロン。重量は2.7キロ。カラーは黒×グレー。オープン価格。
● TEL 03(3273)4043


ロイコレのパター新登場

「RC★P2パター」

(ロイヤルコレクション)

 “フェアウェイウッドのロイコレ”で確固たるブランドイメージを獲得しているロイヤルコレクションが初のパター「RC★P2パター」を9月20日に発売した。見た目にも機能的にも革新的デザインを投入。ストロークのしやすさと安定したボールの転がりを徹底的に追求したモデルで、クラウン部のセンターのアライメントバーにストロークの方向を示す矢印を施し、カップの直径とほぼ同じサイズに設計されたフェース長がカップインのイメージを増幅するなどオートマティックにターゲットに対して真っすぐ構えられ、パッティングの基本動作が向上するのが特徴。33インチ。ロフト角2度。27300円。
● TEL 078(271)7155


クラブ専用防錆、艶出しオイル

「SWORDOIL」

(ゴールドファクトリー)

 ゴールドファクトリーは、ゴルフクラブ専用防錆、艶出しオイル「SWORD OIL(ソードオイル)」を発売している。古くから日本刀の錆止めとして使われてきた御刀油(丁子油)をベースに5年に及ぶテストを経て生み出されたオイルで、打感の柔らかさとボールの喰いつきの良さが特徴の「スピン系ノーメッキウェッジ」やデリケートなフィーリングが特徴の「皮膜系高級パター」に最大の効果を発揮。オイルの成分が金属分子の中まで浸透し、フェース表面をなめらかにして劣化を防ぎ性能を保持、ベストコンディションを保ってくれる。価格は2100円。
● TEL 03(6808)4006


健康トピックス 気づかない健康バロメーター――足の水虫

帝京大学医真菌研究センター所長
スポーツ医療学科教授兼任
安部 茂 Shigeru Abe
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水虫とゴルファーの関係

 私は30年来、微生物と感染と身体の防御力について研究をしてきました。昨年よりスポーツを健康にいかすことをめざす学科として設立されたスポーツ医療学科で、微生物免疫学を教えております。健康を増進するには週に1回以上スポーツをすることが重要であることは証明されています。青空の下で、思いっきり球をとばせるゴルフもストレスを発散させ、体の抵抗力を高めます。


 ところで、ゴルフなどスポーツを愛好する人にとって危険な感染症として白癬があるのを知っていますか。白癬は、白癬菌という真菌の感染で起こる病気ですが、その感染部位から頭部白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬、爪白癬などにわけられます。これらの中で、足白癬・爪白癬がいわゆる水虫と言われているもので、日本では国民の6分の1が感染しているという統計があります。白癬菌は、皮膚の角層を酵素で溶かし、それを栄養源として生きているので、暖かく湿った場所で発育します。そこで、足白癬になりやすい人は、靴を長時間履いているビジネスマン、角層の代謝回転の遅い高齢者と言われています。 


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 ゴルファーは、ラウンド中靴を履き続け汗をかきます。ホールアウト後に風呂に入り、まだ十分に足が乾かないまま靴を履き、家路を急ぎます。こういうことが、足の水虫を増加させる原因になっていると考えられます。


水虫のチェックをして見ませんか

 自分が水虫になっていても、それに気づいていない場合も多いのです。


 水虫だから痒いかというと、そうとばかりは言えません。痒いというのは、角層の白癬菌から産生される物質が、下層の角化細胞、神経細胞を刺激することによりおこります。したがって、角層の厚い「かかと」や「爪」の水虫になっても、ほとんど何も感じないのです。


 足の裏をよく見ると、足裏の固い角層がごわごわして、白いヌカ状の粉のようなものが浮き出ていたり、一部はうすいふけのような鱗屑をつくることがあります。これは、「角質増殖型白癬」の症状です。足のかかとなど厚い皮膚にできる白癬は、50歳代以上の方に多く、自覚症状が少ないのが特徴です。気づかないまま放置していると、菌が爪に入り、爪のケラチンを溶かし、空気層ができるために白色に濁り、しかも爪の下層で増殖し「爪白癬」をおこします。爪が厚く変形していく場合もあります。


 水虫の菌は、暖かくて、湿度が高い環境が大好きで、条件が良いとさかんに増えます。特に夏期は、水虫が繁殖しやすい環境なので、足指の間で湿った炎症をおこしたり、足の裏の比較的角層の薄いところに水泡を作ったりします。


 これらの水虫は、痒くなって、ひどいときは、我慢できないほどになり、かきむしり細菌も侵入して複雑な感染もおこします。痛みを生じることもあります。これらの型をそれぞれ「趾間型足白癬」や「水泡型足白癬」と呼びますが、30代以上で多いものです。


 心当たりがおあり方も多いかと思います。白癬菌はヒトとの相性がいいので、一度住み着いたら、ほとんどの場合、自然になくなることはないとされています。よく足の裏と爪をチェックしてください。


水虫の予防と治療

 家族の中に1人でも足白癬の方がいると、部屋の中のほこりなどから白癬菌が検出されます。従って、水虫の治療をするには、家族全員が一斉に始めるのがよいです。また、強い炎症を起こしている水虫には、細菌の感染が起こっていることがあり、処置が難しいものもあります。少し涼しくなってきた秋口で症状が治まっている今が、治療を始めるには良い季節なのです。薬剤師または医師によく相談して、適切な塗り薬や内服薬で治療を開始すれば、水虫の苦しみから解放されることも夢ではなくなるはずです。


問題はこれらの白癬菌が厚いケラチンの層の中にいるため、薬剤が到達しにくいことです。従って、薬をつけるときは患部だけでなくその周辺にも広く、根気よく薬をつけることがポイントです。また、再発の防止をするため、直ったと思っても、さらに2週間以上治療を続けるのが肝要です。


 再感染を防ぐには、菌がいるかも知れない足拭きマット、スリッパなどで、足が汚れたと思ったらよく洗うこと、自宅に帰ってからでも風呂で足を洗うことです。足に付着した菌は、12時間以内ならば、石鹸で洗うことで簡単に洗い流せます。なお、繰り返しますが、菌は高温多湿な環境で繁殖しますので、足が蒸れやすい靴の使用を控え、なるべくサンダルやメッシュの靴をはくことも有効です。暑い東南アジアより、ブーツなどを履くロシアの方が水虫になっている人が多いのです。


新しい水虫治療作戦

 わが国では、有効な抗真菌薬が開発されていますが一向に患者数の減少は認められていません。一番の原因は、治療に手間と時間がかかり、直りきらないことが多いことです。


 昔から湯温の高い草津温泉などは、水虫や皮膚病に効くといわれますが、帝京大学の医真菌研究センターでは、足白癬や爪白癬の新対策として、東芝病院皮膚科との共同研究で、足湯療法を研究しています。実際42℃ぐらいの少し熱めの湯の中に20分ほど漬けると、白癬菌の99%を殺菌できること、さらにその湯にパルマローザなどの有効な植物精油を0.8%加えておくと、殺菌作用が格段に増強されると言う結果をえています。実際の臨床試験の結果は、下図に示すように患者さんの症状の改善も早期におこり、菌の陰性化がいち早く認められるという有望なものです。


にちにち図表.jpg

  
 この試験では、微量の抗真菌薬も加えて、効果を強めています。植物精油は、少量でも有効に作用しまので、ごく少量(0.8%)を入れたお湯(42℃くらい)の中に20分くらい足首までつけるという方法です。実際にやってみると、良い香りでリラックスして、皮膚にもいい効果を生むと好評です。10年後のゴルフ場の光景として、ホールアウトした後皆さんで足湯をする姿が見られるかもしれないと期待しています。

 
白癬は、健康のバロメーター

 ところで、同じ環境で生活しても水虫になりやすい人と、そうでない人がいます。足の裏の角層の代謝が感染防御に働くことは知られており、年齢を重ねるに従い、血流の低下とともにその代謝が遅くなることが高齢者の足白癬の増加の一因になっています。


 それとともに、免疫力も重要です。角層の中にも抗菌物質があり、その量はサイトカインという免疫を調節する物質で高まることが知られています。


 逆な言い方をすると、足白癬や爪白癬の症状の悪化は、血流の低下や免疫力の低下を知らせてくれるバロメーターと言えます。最近、これらの水虫を心筋梗塞の発症リスクの高まりとして注意すべきだと報告もされています。


 したがって、月に1回ぐらい自分の足をよく見て、自分の健康度をチェックすることが健康な生活を送る上で、必要な習慣だと思います。もし、免疫力が低下していると感じたら、乳酸菌や担子菌などの免疫賦活力を利用するとよいと私は思っています。

 私達は、腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス菌のFK-23菌など)の経口摂取が生体の低下した免疫力を高め、真菌だけでなく細菌、ウイルスの感染に防御効果を発揮することを論文として発表しており、今後も乳酸菌や担子菌を利用して国民の健康に寄与できるような研究を進めていきたいと思っています。


帝京大学建物.jpg
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あべ しげる
東京大学薬学系卒業、東京大学薬学系大学院博士課程修了。
帝京大学薬学部講師、医学部助教授を経て、帝京大学医真菌研究センター教授、現在所長。
帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科教授兼任。日本医真菌学会理事。

健康トピックス 気づかない健康バロメーター――足の水虫

帝京大学医真菌研究センター所長
スポーツ医療学科教授兼任
安部 茂 Shigeru Abe
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水虫とゴルファーの関係

 私は30年来、微生物と感染と身体の防御力について研究をしてきました。昨年よりスポーツを健康にいかすことをめざす学科として設立されたスポーツ医療学科で、微生物免疫学を教えております。健康を増進するには週に1回以上スポーツをすることが重要であることは証明されています。青空の下で、思いっきり球をとばせるゴルフもストレスを発散させ、体の抵抗力を高めます。


 ところで、ゴルフなどスポーツを愛好する人にとって危険な感染症として白癬があるのを知っていますか。白癬は、白癬菌という真菌の感染で起こる病気ですが、その感染部位から頭部白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬、爪白癬などにわけられます。これらの中で、足白癬・爪白癬がいわゆる水虫と言われているもので、日本では国民の6分の1が感染しているという統計があります。白癬菌は、皮膚の角層を酵素で溶かし、それを栄養源として生きているので、暖かく湿った場所で発育します。そこで、足白癬になりやすい人は、靴を長時間履いているビジネスマン、角層の代謝回転の遅い高齢者と言われています。 


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 ゴルファーは、ラウンド中靴を履き続け汗をかきます。ホールアウト後に風呂に入り、まだ十分に足が乾かないまま靴を履き、家路を急ぎます。こういうことが、足の水虫を増加させる原因になっていると考えられます。


水虫のチェックをして見ませんか

 自分が水虫になっていても、それに気づいていない場合も多いのです。


 水虫だから痒いかというと、そうとばかりは言えません。痒いというのは、角層の白癬菌から産生される物質が、下層の角化細胞、神経細胞を刺激することによりおこります。したがって、角層の厚い「かかと」や「爪」の水虫になっても、ほとんど何も感じないのです。


 足の裏をよく見ると、足裏の固い角層がごわごわして、白いヌカ状の粉のようなものが浮き出ていたり、一部はうすいふけのような鱗屑をつくることがあります。これは、「角質増殖型白癬」の症状です。足のかかとなど厚い皮膚にできる白癬は、50歳代以上の方に多く、自覚症状が少ないのが特徴です。気づかないまま放置していると、菌が爪に入り、爪のケラチンを溶かし、空気層ができるために白色に濁り、しかも爪の下層で増殖し「爪白癬」をおこします。爪が厚く変形していく場合もあります。


 水虫の菌は、暖かくて、湿度が高い環境が大好きで、条件が良いとさかんに増えます。特に夏期は、水虫が繁殖しやすい環境なので、足指の間で湿った炎症をおこしたり、足の裏の比較的角層の薄いところに水泡を作ったりします。


 これらの水虫は、痒くなって、ひどいときは、我慢できないほどになり、かきむしり細菌も侵入して複雑な感染もおこします。痛みを生じることもあります。これらの型をそれぞれ「趾間型足白癬」や「水泡型足白癬」と呼びますが、30代以上で多いものです。


 心当たりがおあり方も多いかと思います。白癬菌はヒトとの相性がいいので、一度住み着いたら、ほとんどの場合、自然になくなることはないとされています。よく足の裏と爪をチェックしてください。


水虫の予防と治療

 家族の中に1人でも足白癬の方がいると、部屋の中のほこりなどから白癬菌が検出されます。従って、水虫の治療をするには、家族全員が一斉に始めるのがよいです。また、強い炎症を起こしている水虫には、細菌の感染が起こっていることがあり、処置が難しいものもあります。少し涼しくなってきた秋口で症状が治まっている今が、治療を始めるには良い季節なのです。薬剤師または医師によく相談して、適切な塗り薬や内服薬で治療を開始すれば、水虫の苦しみから解放されることも夢ではなくなるはずです。


問題はこれらの白癬菌が厚いケラチンの層の中にいるため、薬剤が到達しにくいことです。従って、薬をつけるときは患部だけでなくその周辺にも広く、根気よく薬をつけることがポイントです。また、再発の防止をするため、直ったと思っても、さらに2週間以上治療を続けるのが肝要です。


 再感染を防ぐには、菌がいるかも知れない足拭きマット、スリッパなどで、足が汚れたと思ったらよく洗うこと、自宅に帰ってからでも風呂で足を洗うことです。足に付着した菌は、12時間以内ならば、石鹸で洗うことで簡単に洗い流せます。なお、繰り返しますが、菌は高温多湿な環境で繁殖しますので、足が蒸れやすい靴の使用を控え、なるべくサンダルやメッシュの靴をはくことも有効です。暑い東南アジアより、ブーツなどを履くロシアの方が水虫になっている人が多いのです。


新しい水虫治療作戦

 わが国では、有効な抗真菌薬が開発されていますが一向に患者数の減少は認められていません。一番の原因は、治療に手間と時間がかかり、直りきらないことが多いことです。


 昔から湯温の高い草津温泉などは、水虫や皮膚病に効くといわれますが、帝京大学の医真菌研究センターでは、足白癬や爪白癬の新対策として、東芝病院皮膚科との共同研究で、足湯療法を研究しています。実際42℃ぐらいの少し熱めの湯の中に20分ほど漬けると、白癬菌の99%を殺菌できること、さらにその湯にパルマローザなどの有効な植物精油を0.8%加えておくと、殺菌作用が格段に増強されると言う結果をえています。実際の臨床試験の結果は、下図に示すように患者さんの症状の改善も早期におこり、菌の陰性化がいち早く認められるという有望なものです。


にちにち図表.jpg

  
 この試験では、微量の抗真菌薬も加えて、効果を強めています。植物精油は、少量でも有効に作用しまので、ごく少量(0.8%)を入れたお湯(42℃くらい)の中に20分くらい足首までつけるという方法です。実際にやってみると、良い香りでリラックスして、皮膚にもいい効果を生むと好評です。10年後のゴルフ場の光景として、ホールアウトした後皆さんで足湯をする姿が見られるかもしれないと期待しています。

 
白癬は、健康のバロメーター

 ところで、同じ環境で生活しても水虫になりやすい人と、そうでない人がいます。足の裏の角層の代謝が感染防御に働くことは知られており、年齢を重ねるに従い、血流の低下とともにその代謝が遅くなることが高齢者の足白癬の増加の一因になっています。


 それとともに、免疫力も重要です。角層の中にも抗菌物質があり、その量はサイトカインという免疫を調節する物質で高まることが知られています。


 逆な言い方をすると、足白癬や爪白癬の症状の悪化は、血流の低下や免疫力の低下を知らせてくれるバロメーターと言えます。最近、これらの水虫を心筋梗塞の発症リスクの高まりとして注意すべきだと報告もされています。


 したがって、月に1回ぐらい自分の足をよく見て、自分の健康度をチェックすることが健康な生活を送る上で、必要な習慣だと思います。もし、免疫力が低下していると感じたら、乳酸菌や担子菌などの免疫賦活力を利用するとよいと私は思っています。

 私達は、腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス菌のFK-23菌など)の経口摂取が生体の低下した免疫力を高め、真菌だけでなく細菌、ウイルスの感染に防御効果を発揮することを論文として発表しており、今後も乳酸菌や担子菌を利用して国民の健康に寄与できるような研究を進めていきたいと思っています。


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あべ しげる
東京大学薬学系卒業、東京大学薬学系大学院博士課程修了。
帝京大学薬学部講師、医学部助教授を経て、帝京大学医真菌研究センター教授、現在所長。
帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科教授兼任。日本医真菌学会理事。

健康トピックス 気づかない健康バロメーター――足の水虫

帝京大学医真菌研究センター所長
スポーツ医療学科教授兼任
安部 茂 Shigeru Abe
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水虫とゴルファーの関係

 私は30年来、微生物と感染と身体の防御力について研究をしてきました。昨年よりスポーツを健康にいかすことをめざす学科として設立されたスポーツ医療学科で、微生物免疫学を教えております。健康を増進するには週に1回以上スポーツをすることが重要であることは証明されています。青空の下で、思いっきり球をとばせるゴルフもストレスを発散させ、体の抵抗力を高めます。


 ところで、ゴルフなどスポーツを愛好する人にとって危険な感染症として白癬があるのを知っていますか。白癬は、白癬菌という真菌の感染で起こる病気ですが、その感染部位から頭部白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬、爪白癬などにわけられます。これらの中で、足白癬・爪白癬がいわゆる水虫と言われているもので、日本では国民の6分の1が感染しているという統計があります。白癬菌は、皮膚の角層を酵素で溶かし、それを栄養源として生きているので、暖かく湿った場所で発育します。そこで、足白癬になりやすい人は、靴を長時間履いているビジネスマン、角層の代謝回転の遅い高齢者と言われています。 


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 ゴルファーは、ラウンド中靴を履き続け汗をかきます。ホールアウト後に風呂に入り、まだ十分に足が乾かないまま靴を履き、家路を急ぎます。こういうことが、足の水虫を増加させる原因になっていると考えられます。


水虫のチェックをして見ませんか

 自分が水虫になっていても、それに気づいていない場合も多いのです。


 水虫だから痒いかというと、そうとばかりは言えません。痒いというのは、角層の白癬菌から産生される物質が、下層の角化細胞、神経細胞を刺激することによりおこります。したがって、角層の厚い「かかと」や「爪」の水虫になっても、ほとんど何も感じないのです。


 足の裏をよく見ると、足裏の固い角層がごわごわして、白いヌカ状の粉のようなものが浮き出ていたり、一部はうすいふけのような鱗屑をつくることがあります。これは、「角質増殖型白癬」の症状です。足のかかとなど厚い皮膚にできる白癬は、50歳代以上の方に多く、自覚症状が少ないのが特徴です。気づかないまま放置していると、菌が爪に入り、爪のケラチンを溶かし、空気層ができるために白色に濁り、しかも爪の下層で増殖し「爪白癬」をおこします。爪が厚く変形していく場合もあります。


 水虫の菌は、暖かくて、湿度が高い環境が大好きで、条件が良いとさかんに増えます。特に夏期は、水虫が繁殖しやすい環境なので、足指の間で湿った炎症をおこしたり、足の裏の比較的角層の薄いところに水泡を作ったりします。


 これらの水虫は、痒くなって、ひどいときは、我慢できないほどになり、かきむしり細菌も侵入して複雑な感染もおこします。痛みを生じることもあります。これらの型をそれぞれ「趾間型足白癬」や「水泡型足白癬」と呼びますが、30代以上で多いものです。


 心当たりがおあり方も多いかと思います。白癬菌はヒトとの相性がいいので、一度住み着いたら、ほとんどの場合、自然になくなることはないとされています。よく足の裏と爪をチェックしてください。


水虫の予防と治療

 家族の中に1人でも足白癬の方がいると、部屋の中のほこりなどから白癬菌が検出されます。従って、水虫の治療をするには、家族全員が一斉に始めるのがよいです。また、強い炎症を起こしている水虫には、細菌の感染が起こっていることがあり、処置が難しいものもあります。少し涼しくなってきた秋口で症状が治まっている今が、治療を始めるには良い季節なのです。薬剤師または医師によく相談して、適切な塗り薬や内服薬で治療を開始すれば、水虫の苦しみから解放されることも夢ではなくなるはずです。


問題はこれらの白癬菌が厚いケラチンの層の中にいるため、薬剤が到達しにくいことです。従って、薬をつけるときは患部だけでなくその周辺にも広く、根気よく薬をつけることがポイントです。また、再発の防止をするため、直ったと思っても、さらに2週間以上治療を続けるのが肝要です。


 再感染を防ぐには、菌がいるかも知れない足拭きマット、スリッパなどで、足が汚れたと思ったらよく洗うこと、自宅に帰ってからでも風呂で足を洗うことです。足に付着した菌は、12時間以内ならば、石鹸で洗うことで簡単に洗い流せます。なお、繰り返しますが、菌は高温多湿な環境で繁殖しますので、足が蒸れやすい靴の使用を控え、なるべくサンダルやメッシュの靴をはくことも有効です。暑い東南アジアより、ブーツなどを履くロシアの方が水虫になっている人が多いのです。


新しい水虫治療作戦

 わが国では、有効な抗真菌薬が開発されていますが一向に患者数の減少は認められていません。一番の原因は、治療に手間と時間がかかり、直りきらないことが多いことです。


 昔から湯温の高い草津温泉などは、水虫や皮膚病に効くといわれますが、帝京大学の医真菌研究センターでは、足白癬や爪白癬の新対策として、東芝病院皮膚科との共同研究で、足湯療法を研究しています。実際42℃ぐらいの少し熱めの湯の中に20分ほど漬けると、白癬菌の99%を殺菌できること、さらにその湯にパルマローザなどの有効な植物精油を0.8%加えておくと、殺菌作用が格段に増強されると言う結果をえています。実際の臨床試験の結果は、下図に示すように患者さんの症状の改善も早期におこり、菌の陰性化がいち早く認められるという有望なものです。


にちにち図表.jpg

  
 この試験では、微量の抗真菌薬も加えて、効果を強めています。植物精油は、少量でも有効に作用しまので、ごく少量(0.8%)を入れたお湯(42℃くらい)の中に20分くらい足首までつけるという方法です。実際にやってみると、良い香りでリラックスして、皮膚にもいい効果を生むと好評です。10年後のゴルフ場の光景として、ホールアウトした後皆さんで足湯をする姿が見られるかもしれないと期待しています。

 
白癬は、健康のバロメーター

 ところで、同じ環境で生活しても水虫になりやすい人と、そうでない人がいます。足の裏の角層の代謝が感染防御に働くことは知られており、年齢を重ねるに従い、血流の低下とともにその代謝が遅くなることが高齢者の足白癬の増加の一因になっています。


 それとともに、免疫力も重要です。角層の中にも抗菌物質があり、その量はサイトカインという免疫を調節する物質で高まることが知られています。


 逆な言い方をすると、足白癬や爪白癬の症状の悪化は、血流の低下や免疫力の低下を知らせてくれるバロメーターと言えます。最近、これらの水虫を心筋梗塞の発症リスクの高まりとして注意すべきだと報告もされています。


 したがって、月に1回ぐらい自分の足をよく見て、自分の健康度をチェックすることが健康な生活を送る上で、必要な習慣だと思います。もし、免疫力が低下していると感じたら、乳酸菌や担子菌などの免疫賦活力を利用するとよいと私は思っています。

 私達は、腸球菌(エンテロコッカス・フェカリス菌のFK-23菌など)の経口摂取が生体の低下した免疫力を高め、真菌だけでなく細菌、ウイルスの感染に防御効果を発揮することを論文として発表しており、今後も乳酸菌や担子菌を利用して国民の健康に寄与できるような研究を進めていきたいと思っています。


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あべ しげる
東京大学薬学系卒業、東京大学薬学系大学院博士課程修了。
帝京大学薬学部講師、医学部助教授を経て、帝京大学医真菌研究センター教授、現在所長。
帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科教授兼任。日本医真菌学会理事。