志門流ゴルフ免許皆伝 其の五十四《最終回》

トップからは左足へ体重移動せず、そのままの状態で一気に左にヘッドを振る。これがヘッドを速く振り、ボールをまっすぐに飛ばす「志門流ゴルフ」のダウンスイングです。その志門流のダウンスイングをスムーズに行うにはスタンスが大事です。
つまり、アドレスの向きが大事なのです。そこで志門流では“クローズスタンス”で構えろ、と教えます。クローズスタンスはフックボールを打つためのスタンス、ということが定説になっています。ところが志門流がクローズスタンスをすすめるのはフックボールを打つためではありません。
もちろん志門流でもフックボール、スライスボールの打ち分けはします。その打ち分けとアドレスとは無関係なのです。どんなボールを打つ時にもクローズスタンスで構えろ、と教えるのです。その理由は、バックスイングですぐにコックするだけでヘッドは鋭角的に上がり、志門流ゴルフの理想とするアドレス時のクラブの延長線上にクラブがおさまるトップがつくりやすくなるからです(このトップに関しては“スイングの極意を知る編(3)”に詳しくレッスン済みです)。
そして、鋭角的に上がったヘッドは、とうぜんダウンスイングで鋭角的に、上から直線的に落ちてきやすくなります。つまり、ヘッドを左に速く振ろうとすればトップからインパクトで最短、最速にヘッドが動くのです。とうぜんヘッドスピードはアップします。
さらに、クローズスタンスで構えることで、左腰がカベとなってダウンスイング時の左腰の開きを抑えます。ダウンスイングで左腰が早く開いてしまうとクラブが寝てしまってヘッドは遅れ、インパクトでフェースが開いてスライス等のミスショットを招くのです。
樹木を斧で切り倒すことをイメージしてみてください。切ろうとする木の根元に正確に斧を振り下ろそうとした時には必ずクローズスタンスで構えるはずです。
クローズスタンスで構えることで鋭角的に斧を動かせ、また腰が開きにくくなることでより正確に斧を最短、最速に狙った箇所に振り下ろすことができるからです。ゴルフスイングもまったく同じなのです。

スクエアもオープンスタンスもダメ。とくにオープンスタンスは曲がって飛距離が出ない最悪のスタンスだ!
ゴルフのセオリーではスタンスはスクエアスタンスです。しかしスクエアスタンスはダメです。なぜか。ターゲットとボールとを結ぶラインに対してまっすぐに構えるスクエアスタンスはバックスイングでヘッドをまっすぐに引き、ダウンスイング以降もヘッドをまっすぐに動かす、という直線的なイメージが強く生まれるからです。
この直線的なイメージでスイングするとヘッドでスムーズな円軌道を描くことができなくなります。するとヘッドは走らず、フェースもインパクトでスクエアな状態に戻らず、その結果ボールは曲がって飛ばなくなるのです。
オープンスタンスはもっとダメです。最悪です。バックスイングで低く、インサイドにクラブがローリングして上がりやすくなります。トップが低いですからダウンスイングでヘッドは落ちてきません。とうぜんヘッドスピードは遅く、飛距離は出ません。
さらにバックスイングでクラブがローリングすることでフェースは開き、インパクトでスクエアに戻すことが困難になります。また、腰を開いて構えるオープンスタンスはダウンスイングでより左腰が早く開き、一層インパクトでフェースが開きやすくなります。それだけ方向性が定まらなくなるのです。これがオープンスタンスが最悪だという理由です。




