第44回メンタルゴルフ革命

ジンクスに左右されてはいけない
07年の女子ツアー最終戦LPGAチャンピオンシップリコーカップは、3日目まで首位を独走した不動裕理に5打差でスタートした古閑美保が見事な逆転勝ちを収めました。
最終日は文字通り不動と古閑の一騎打ち。前半の古閑は3連続バーディを奪うなど快調で9番で不動に追いつく。後半は一進一退の展開でしたが、16番のショートホールで不動がショットミスを連発。勝負強さでは天下一品の不動を相手に、古閑はそのお株を奪うかのような冷静なプレーを続けてヒロインの座についたのです。
試合後のインタビューで古閑はこう語っています。
「3連続バーディが来た時に『いやーどうしよう』と思いました。自分の中でイケイケになるし、そういう時はポカをやるんですけど、今回は5番のティショットを打ってから冷静になることができました。それが勝因でしたね」。
イケイケのあとはポカ。「前半大きく伸ばしたときは後半必ず崩れる」というジンクスめいたものを古閑はこれまで抱いていた、というのです。ジンクスとは、「あることが起これば必ずその後に決まったことが起こる」という迷信めいた信仰のことをいうのですが、実はツアープロでも自分のプレーに関するジンクスを信じる人が案外多いのです。
たとえば、初日にスコアを大きく伸ばしたときは2日目にスコアを必ず崩すとか、スコアボードを見ると途端にスコアが乱れるといったジンクスを本気で信じているツアープロも少なくないようです。レベルは違いますがアマチュアゴルファーも同じ。ベストスコアが出そうな時に限って最終ホールで大叩きするとか、スタートの一番ホールでダボを叩くのは仕方がないというのがジンクスの典型例でしょう。
ただジンクスがすべて悪いものとはいえません。パターを替えるといつもパットが良くなるとか、ドライバーを替えるとコンペでいい成績が出るといった用具絡みの信仰はけっこうプラスに働くこともあるからです。
しかしながらジンクスに左右されるプレーは総合的に見てスコアアップのマイナス要因となることは確かなのです。
ミスショットはもちろんナイスショットのことも忘れよう
かりにいいジンクスであっても「迷信」に頼りすぎるのはよくありません。自分の技術的な問題点を棚上げにして安易に言いわけに走って努力を怠ることになりかねないからです。
今回の古閑の優勝は、過去のジンクスを捨て去って最高の心理状態で目の前の1打1打にベストを尽くしたから生まれたのです。
彼女の言う「イケイケ」とか「その日のムード」に流されてはいけません。
目の前の1打1打は独立したもの。前のショットが良かったから次のショットもナイスショットになる保証などありません。逆に、ミスショットしたから次も必ずミスになることもないのです。いいか悪いか結果は別にしてゴルフというゲームは「一寸先は闇」なのです。だから面白い、ともいえるのですが…。
やるべきことは、常にどんな状況にあっても目の前のショットに全力を尽くす。打ち終ったショットは過去のものとして意識から葬り去る。そういう意味ではミスショットだけでなく、ナイスショットのことも潔く忘れるべきです。
古閑のように、ジンクスを葬り去って目の前のショットに全力を尽くす。この心構えがスコアアップへの道の一つといえるでしょう。

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