ドックを受診し健康長寿を委ねてほしい
松田秀秋近畿大学薬学部教授に聞く

Q 一般に関心が高い老化はどうして起こるのか。
A 原因としては、ホルモンや免疫力の低下が挙げられます。最近は加工食品をよく食べるようになっていますので、それにともなって酸化ストレスで血流が低下することなども指摘されています。このような症状を起こさないようにしようというのがアンチエイジングです。従来は病気になれば病院で薬を処方してもらい、それを飲んで治療をする形でした。それを一歩推し進めて日常生活に気を配り、病気を予防して健康長寿を目指そうということです。
Q 先生の薬用資源学研究室では天然物に関する研究をされています。
A 今までは、どちらかというと治療薬の研究開発に取り組んできました。研究している素材は天然物ですから、体の調整作用あるいは恒常性の維持に作用するものが多いので、アンチエイジングとして病気を予防する分野の研究にも力を入れていく考えです。日本は高齢化社会に突入し、高齢者も健康で元気に過ごしたいと思っている人が多く、そうした志向にもマッチします。アンチエイジングドックでは、体をケアしなければいけない受診者に薬やサプリメントの分野でお役に立ちたい。

講演する松田先生

熱心に聞き入る後援会参加者
Q 天然物からの薬といえば漢方薬を想起します。漢方薬とアンチエイジングとの関連は?
A 中国最古の薬物書といわれる『神農本草経』の上品に記されている生薬は、副作用がなく長期間、服用しても大丈夫な薬草です。その薬物書のトップに記されているのが薬用人参です。薬効的には「主に五臓を補い、精神を安定させる」と書かれています。何が言いたいかといえば、『神農本草経』に記された薬能と科学的研究による薬理作用では、免疫力を高めるということです。血流を良くして消化器系の機能を上げる、すばらしい薬が薬用人参です。
Q 偏食や運動不足などが、生活習慣病を誘発するといわれています。
A 生活習慣が悪いと、血流や免疫力が低下し、腸内細菌のなかでも悪玉菌が増加します。それを放置して改善しなければ、高血圧や糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、ガンなどの生活習慣病になり、気がついたときには手遅れです。健康で長生きするには生活習慣に気をつけて暮らせば、きっとご褒美があります。薬用人参は健康長寿に役立つものであると思います。
Q 奈良病院にアンチエイジングドックが開設されました。薬学部としての対応は?
A アンチエイジングドックで、受診者が薬やサプリメントを飲まないといけない人だと判定された場合の対応方法の標準化を、早く確立しましょうと提案しています。

健康相談コーナーに溢れるばかりの相談者たち
Q 昨今、みなさんのサプリメントへの関心は高いものがあります。
A 2007年10月にアンチエイジングセンター開設を記念し、近畿大学が開いた市民公開講座には多くの地域住民の方が参加されました。私もアンチエイジングに関する講演をしました。そこで参加者の健康への関心が高いことに驚きました。講演後に多くの参加者から「今、こういうサプリメントを摂っているが体にいいでしょうか」と具体的な相談も受けました。アンチエイジングドックでは受診者のサプリメントの相談にものっていかないといけないと考えています。私の研究室でも今後はサプリメントの開発に加え、企業からの受託研究や品質評価などにも取り組んでいきます。



