btn_base

« 2008年1月号 月刊スーパーゴルフ | トップへ戻る | 奈良病院でのアンチエイジングドック中心に国民の健康増進に貢献へ »

奈良病院でのアンチエイジングドック中心に国民の健康増進に貢献へ


近畿大学アンチエイジングセンター長
掛樋一晃近畿大学薬学部教授・薬学部長に聞く

kakei.jpg


 今、なぜアンチエイジングセンターを開設したのか。

 日本は高齢化社会に入りました。そうしたなかで病気になる前に予防しようという「予防医学」の大切さがいわれています。つまり、病気になるまえに運動や食事に気をつけて、健康で元気に老後を過ごしましょうということです。国は「新健康フロンティア戦略」を打ち出し、「がん克服力」「メタボリックシンドローム克服力」「スポーツ力」といった力を国民がつける「健康国家への挑戦」に踏み出しています。近畿大学も総合大学として、国の施策に貢献するためです。


Q どう貢献しようと?

 近畿大学の世耕弘昭理事長から、国が「健康国家へ挑戦」するなかで「近大が総合大学の強みを活かし、学部が連携すれば役立てるものがある」という話がありました。九つある新健康フロンティア戦略の中で、「がん克服力」「メタボリック克服力」「スポーツ力」「食の選択力」の四つはすでに研究に取り組んでいます。そこで、それに関連する医学部や薬学部、農学部、健康スポーツ教育センターが連携すれば今すぐにでも対応できると判断し、それに最もふさわしい抗加齢医学の研究を一丸となって推し進めるのが「アンチエイジングセンター」と考え、立ち上げることになりました。センターで研究実践の戦略を策定し実行することで、近大が国民の健康増進に寄与できます。


kinnkidaiyakugaku.jpg
近畿大学薬学部棟


 実行するには人材が必要ですね。

 2006年から薬学部では6年制が始まりました。基本は医療に根ざした薬剤師を育てることですが、創薬も重視しています。この中には健康食品(サプリメント)も含まれます。そこで活躍できる薬学の知識をもった人材を育てたい。そうなると薬学だけではなく、医学部や農学部の協力を得て幅広い知識を持たなければならない。そうした考え方に立ったときに四つが連携するアンチエイジングセンター開設に結びついたともいえます。


 アンチエイジングセンターの具体的な中身は?

 医学部「奈良病院」が中心になって対応するアンチエイジングドックです。抗加齢に関心の高い受診者を、問診や採血によって健康状態をチェックします。その結果をもとに投薬が必要かどうか、あるいは運動を勧めるといった指導をします。ここから薬学部や農学部、健康スポーツ教育センターとの連携が始まります。受診者の健康状態に即した総合的な健康指導といえます。


 「メタボリック克服力」の研究は?

A メタボリックは簡単にいえば、内臓脂肪の蓄積により糖尿病や高血圧などの動脈硬化の危険因子が、一個人に集積している状態です。糖尿病の発生率を減らし、脳卒中や心疾患による死亡を減らすために、この三つに対する漢方や健康食品を薬学部薬用資源学研究室や薬学総合研究所で開発することを第一目標にしています。


 「食の選択力」というのは?

 生涯にわたって健康な心と体を保ち、豊かな人間性を育むのが目標です。それにはいい食事をすることも大切です。食に対する知識と食を選択できる力を身につけるため、農学部が中心になって食事バランスガイドなどを作成します。


 ところで「アンチエイジング」は、最近よく耳にするようになってきました。

 国内では医学を中心に「抗加齢ドック」「抗加齢外来」を開設する大学も出ています。ただ近大のように医学・薬学・農学・健康スポーツが連携して取り組むところはありません。アメリカでは医療において非常に注目されている分野です。また臨床医向けに開発されたサプリメントは、医療の現場で多用されて医療効果を上げています。そして成人の60%以上が日常的にサプリメントを利用しているそうです。


Q 今後のアンチエイジングセンターの取り組みは?

A 医・農・薬学部でそれぞれアンチエイジエイジングの実践や研究を行っています。アンチエイジング物質は特定の効果が科学的に証明されてはじめて具体的な健康増進などの効果を表示することができます。これらの臨床面の効果と安全性を病院で、物性面の安全性・品質評価を薬学部で検証します。それとすぐできること、そして1〜2年の中期、それ以降の長期に分けて目標を細かく設定してアンチエイジングセンターの機能を強化したい。もちろん生活者への広報も重視しアンチエイジングに関心を持ってもらい、健康で元気に老後を過ごしてもらえればと考えています。