第56回 佐渡充高のワールドツアーリポート

--------------------------------
タイガーの来季はパーマーとホーガンのツアー勝利数を抜くことが目標だ!
ツアー7勝。今年を振り返ってタイガーは「最高だった」とご満悦!
タイガー・ウッズ(31)は今季からはじまったプレーオフ制度で例年より2カ月も早く9月16日終了のツアー選手権で今季の賞金ランク対象トーナメントの全日程を終えた。
11月にカリフォルニア州で行われる対象外の「ターゲット世界チャレンジ」は自身がホスト役なため出場予定だが、来年1月中旬のビュイック招待まで約4カ月もの間、タイガーのプレーを観られないのは残念だ。
振り返ると今季もタイガー圧勝のシーンばかりが思い起こされる。特に8月以降は世界選手権のブリヂストン・インビテーショナル、今季最後のメジャー・トーナメントである全米プロ選手権、プレーオフシリーズに入ってからはBMW選手権、そして最終のツアー選手権と4勝を挙げ年間7勝。初代プレーオフ覇者に与えられるフェデックスカップも手に入れた。シーズンを終えて「今季は最初の3つのメジャー・トーナメントで勝つことができず、どうなるかと思ったが最後のメジャーで勝ててよかった。年間1つメジャーを取れれば最高のシーズンといえる」と満足そうだった。
-----------------------------------------------
現在タイガー 61勝。来季、パーマーの 62勝を超す可能性は大だ!
プレーオフ終了後、賞金王の行方は2位フィル・ミケルソンの動向に委ねられた。しかし、フォール・シリーズと名づけられた最後の7試合に不参加を表明したため、その段階で逆転の可能性が消滅しタイガーの3年連続8度目の賞金王が決定した。さらに12月に選手の投票で決められるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーもほぼ決まりで、今季も主要タイトルを総ナメとなりそうだ。
96年8月にプロ転向し、07年9月までの11年1カ月の間にタイガーは61勝。来季の注目はまずアーノルド・パーマーが保持する生涯62勝に並び、さらに超えるかどうかだ。
31歳の若さでタイガーがゴルフ界のキング、パーマーの偉大な記録を抜く可能性が高まり、アメリカではシーズン終了直後から各メディアが事前インタビューを試みるなど話題を集めている。
パーマーの生まれ故郷ペンシルバニア州ピッツバーグのピッツバーグ・トリビューン紙はいち早く報道しパーマーのコメントを掲載した。
「タイガーが私の記録を抜くことは素晴らしいことだ。彼がプロに転向してからの活躍を見ていて、過去の様々な記録を抜くことは疑う余地がないと思ってきた。彼は誰よりも努力をする好青年。思いやりと誠実さを備え、目的を必ず成し遂げると信じている」と高く評価した。
-----------------------------------------------
パーマーの後にもホーガン、ニクラス、スニードという目標がある!
タイガーは61勝まで230試合、パーマーの62勝は1973年のボブ・ホープ・クラシックで達成され、それまでの試合数は473だった。パーマーは米東部ウェイクフォレスト大学を卒業した後、3年間従軍していたためプロに転向したのは25歳と遅かった。
当時、転戦の手段は汽車や自動車が主で(後にパーマーは自家用飛行機を自ら操縦し転戦)、全米各地で開催されるトーナメントに出場することは現在よりはるかに大変だった。タイガーは20歳でプロに転向し、自家用ジェットを使って余裕のあるスケジュールで転戦し、パーマーの時代と比較するとはるかに楽だといえる。
ところでパーマーの62勝という記録はツアーで4番目の最多優勝記録だ。来季のタイガーの目標はパーマーに並ぶ62勝だけでなく、歴代3位のベン・ホーガンの生涯優勝記録64をも抜く可能性もある。それを達成すればその先に2位のジャック・ニクラスの73勝、そして最多のサム・スニードの82勝が待ち受けている。来季は記録更新の歴史的シーンが見られる可能性が高そうだ。
-----------------------------------------------
タイガーはメジャー13勝。今後、ニクラスの18勝を超せるかどうか注目!
タイガーは今季の全米プロ選手権を制しメジャー・トーナメントは通算13勝。ジャック・ニクラスの持つツアー最多メジャー優勝回数18を超すまで6勝に迫った。
パーマーはこの件に関して「メジャー最多優勝記録を更新することがタイガーにとって最も大切なことだと思う。数々の記録を塗り替える上でこれが最も大変だろう。必ず達成するという強い意思、どれだけゴルフに自分を捧げられるかにかかっていると思う」と述べた。この目標こそが記録の最高峰だ。これからもタイガーから目が離せない・・・。
|
|
|
佐渡充高(さど みつたか) ゴルフジャーナリスト。NHKゴルフ解説者。上智大学法学部卒業。1985年に渡米。ニューヨークを拠点にUSPGAツアーをはじめ世界のゴルフツアーを取材。GWAA(米国ゴルフ記者協会)会員。96年より世界ゴルフ殿堂選考委員。49歳。 |



