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2009年10月01日

Dr.ハザマからのメッセージ 一歩進んだインフルエンザ対策

「免疫力」を高めるために


「パンデミック(世界的流行)」が危惧される新型インフルエンザの大流行。必要なワクチン接種も数が足りないし、接種しても完全に安心とは言えない。私たちはこの未曾有の新型インフルエンザに対して、自らが発症しないように「免疫力」を高める必要がある。“一歩進んだインフルエンザ対策”とは――。


狭間研至(医師・医学博士)
Kenji Hazama


はじめに

 今年の秋から冬にかけて大流行が予想される新型インフルエンザ。その対策の目玉として、ワクチン接種があげられていますが、厚生労働省からの発表を見る限りでは、その数量が十分ではないことも予想されます。また、予防や治療を目的とした抗インフルエンザ薬についても、その供給が十分に確保できるかどうかが不確実な状態のようです。


 インフルエンザの予防・治療の中で、ワクチン接種や抗インフルエンザ薬の投与は中心的な役割を果たすものではありますが、それ以外にもいろいろな方法があります。また、逆に言えば、ワクチン接種をすればそれで完全に安心かというと、決してそうではなく、その他の総合的な予防策を講じることの重要性には変わりはありません。


 今回は、「一歩進んだインフルエンザ対策」についてお話します。


本は手洗いとうがい


 インフルエンザは、季節性インフルエンザであっても新型インフルエンザであっても、ウイルスが原因です。このウイルスが、私たちの身体の中に入って、増殖した結果、インフルエンザとして発症します。


 私たちの身体は、皮膚で覆われていますが、ウイルスはこの皮膚を通って体内に入ることはできません。つまり、インフルエンザのウイルスは、皮膚で覆われていない鼻と口からしか体内に入ってこないわけです。


 インフルエンザに感染している方が、顔の真ん前でくしゃみや咳をするという状況はなかなかありませんが、たとえば締め切った部屋や教室の中だと、結果的に室内に存在するウイルスが鼻や口の粘膜に付着する可能性はあります。


 また、咳やくしゃみの際の飛び散ったウイルスを含む唾液の飛沫などが、テーブルや椅子、ドアの取っ手などに付着し、それらを知らずに手で触ってしまうことがあります。


 普段はあまり意識はしていませんが、私たちは意外に顔の周辺に手をやる動作をしているものです。たとえば、アゴをさすったり、顔を手で覆ったり。また、食事の際にも、スプーンやお箸を使っていても、手が頻繁に顔の周辺にいきます。こういった何気ない行為が、感染の端緒になる可能性もあります。


 したがって大切なことは、手洗いとうがいです。石けんやうがい薬も用いながら、物理的に水でしっかり洗い流すことです。手洗いは、15秒程度かけて行うことが推奨されています。うがいについては、少し議論があるようですが、埃などを洗い流すためにも、私自身は患者さんにお勧めしています。


 また、マスクを着用することに加え、外出から帰った後には、洋服にウイルスが付着している可能性もあるので、早めに着替え、部屋に持ち込まないことも重要です。繰り返しますが、インフルエンザのウイルスをしっかりとした手洗いで除去し、うがいを怠らないことです。これが、インフルエンザ対策の基本となるでしょう。


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インフルエンザを発症しないために大切な「抵抗力」=「免疫力」

 手洗いやうがいをしっかりしていても、毎日の生活の中で、どうしても避けられないケースがあります。そんな時に備えて、粘膜に付着したウイルスを増やさないための対策も考えておきましょう。


 私たちの身体には、「抵抗力」が備わっています。インフルエンザのウイルスに限らず、かぜのウイルスや食中毒の細菌など、いわゆるいろいろな「ばい菌」は私たちの周りにたくさんありますが、それらのほとんどに負けずに過ごせているのは、この「抵抗力」があるためです。この「抵抗力」を医学的に言い換えると「免疫力」となります。


「免疫」とは「疫(=病気)を免(まぬが)れる」と読めますが、まさに、こういった身体の外から入ってくる「ばい菌」をやっつけて、病気にならないようにする力のことで、私たちの身体の中に、もともと備わっているものです。


 しかし、過労やストレス、不規則な生活やアンバランスな食生活などによって、この免疫力が低下していると、ウイルスの増殖を抑えることができず、インフルエンザの発症へとつながるのです。


「免疫力」を維持・向上させるために

「免疫力」を維持するためには、十分な睡眠・休養と、適切な栄養バランスが重要です。忙しい毎日ではありますが、体調管理に気を配ることは、やはりおろそかにしてはならないことを、再確認していただきたいと思います。近年、私たちの「免疫力」を調整しているキーの一つが、「腸内細菌のバランス」であることも、種々の研究成果として報告されています。


 たとえば、乳酸菌の一種であるFK-23菌は、腸内の善玉菌を増加させ、腸内細菌のバランスを整えたという報告があります。また、細胞がウイルスに感染した際に、病原菌から身体を守るために自衛的に産生する「インターフェロン」という物質がありますが、FK-23菌は、このインターフェロンの産生を高めたとも報告されていますので、こういった機能性食品を、一歩進んだインフルエンザ対策の一つとして活用されることもよいでしょう。


さいごに

 どんな病気もそうですが、まずは、予防が大切です。しかし、予防をしっかりしていても病気になってしまうことはあります。もし、急な発熱、全身の強い倦怠感、節々の痛み、咳など、気になる症状があれば、速やかにお近くの医療機関で受診されることをお勧めします。


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はざま けんじ
医師・医学博士・外科専門医・呼吸器外科専門医。
平成7年大阪大学医学部卒業後、第一外科に入局。国公立病院にて外科診療に携わった後、平成12年大阪大学大学院医学系研究科博士課程。平成16年同修了。平成16年ファルメディコ株式会社 代表取締役。
現在、一般社団法人 薬剤師あゆみの会 理事長。薬局の運営に携わるとともに、医師として、在宅医療や補完医療での活動も行っている。

2009年07月01日

健康レポート●地域に根ざす「サカエ薬局」 リウマチの改善を導いた“かかりつけ安心薬局”

「病院に通っていたのですが、ひどい痛みに対する強い薬の副作用がいやで、藁をも掴む思いで相談したのがキッカケでした」と語るリウマチ患者のAさん。病院では得られなかった安心感と症状の改善にご本人もビックリ。Aさんが明るい兆しを感じるようになったという「サカエ薬局」の対応はどのようなものであったのか!?   
               

「もっと患者さんの近くでサポートを…」

 東京都板橋区の高島平駅から徒歩で2、3分のところにある「サカエ薬局」。平成6年の開局以来、地域の健康を支え、患者さんの相談に懇切丁寧に応じると評判の地域に根ざした「かかりつけ薬局」である。


 古典漢方や中医学と西洋医学の良い面を取り入れた「西洋と東洋の結合医療」を実践している薬剤師の高橋賢先生は、「処方箋調剤を通じて現代医療の良さと漢方治療との両立を地域に広める」ことをモットーとしている。


「薬を通じて人を助ける仕事がしたい」と薬剤師になって25年になる高橋さん。病院勤めやドラッグストアを経て15年前にこの薬局を開局した。独立のキッカケは、病院勤務の時ある老婦人から「いつも丁寧に薬の説明をしてくれてありがとう」と言われたことだという。


「そのことがとても嬉しかったのです。患者さんはお医者さんには聞けないことも薬剤師には聞いてくれる。もっと患者さんの近くでいろいろと相談に乗りたい」と思って、高橋先生は薬局をスタートさせたのだ。


 そしていまでは、気さくに悩み事を相談できる高橋先生のもとに、多くの患者さんが通い詰めている。まさに「かかりつけ安心薬局」として地域に根ざし、その機能を十二分に果たしている。

 
リウマチで悩んでいたAさん

 そんな高橋先生のもとに、3年前の5月、Aさんが苦悶の表情で相談に訪れたという。


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リウマチ患者Aさんと面談する高橋先生


「膝が痛くて階段がほとんど登れない状態でした。友人に相談したら『関節リウマチじゃないの!?』と言われ整形外科でリウマチの検査をしてもらいました。採血やレントゲンを撮ってもらったところ、白血球や血小板が増加しており、CRP(C-リアクディブ・プロテイン)や赤沈も基準量の数十倍と言われました」


 Aさんは、「進行性リウマチ」と診断された。


「膝に違和感を覚えてから3カ月くらいで歩けなくなりました。その時まだ手はなんともなかったのですが、だんだん手も腫れあがってきました。むくみと痛みが出てきて、物を持つこともできなくなりました」


 これでは仕事も出来なくなり、先行きどうなるのか思い悩んだという。最初は病院に行っていたのだが、モルヒネとかステロイドなど副作用の強い薬を使うと聞かされ不安になった。そしてAさんは、痛みが出なければ関節が固まるのは仕方がないとの説明に、納得できずに思い悩んでいたというのだ。


 その時、サカエ薬局に通っている知り合いから紹介されて、藁をも掴む気持ちで訪れた。症状が出てから1?2カ月後のことである。


 高橋先生は、変形し始めた指の関節を見て「なんとかしてこの患者さんの悩みを解決したい」と思ったという。


「進行性のリウマチですから、急いで抑えるよりも血液の流れを良くしていくことが大切だと思いました。それに彼女は冷え性でしたので、良血(血液の質を良くして暖める)して痛みをとる必要があると思いました。それで乳酸菌FK?23をとるように勧めました。そしてカルシウムと亜鉛が必要なので動物性の亜鉛製剤を加えて処方したのです」


 Aさんは仕事がハードで精神的なストレスもあり、メンタルに作用する薬と血液をサラサラにする製剤が必要だった。痛みは初めスーッと引いたが、その後激痛に襲われたという。


「最初は、激痛に悩まされて夜も一睡も出来ませんでした。指の関節だけでなく首を動かすことも大変な状態になってきました。脚はもちろん思うように動かなくて、まるでロボットのようでした。下を向けない状態になっていたのです」


「サカエ薬局」に通い始めて3年。現在も少し痛みはあるが、大分良くなってきたという。痛みがひどかった頃は、羽根布団さえ辛くてソファで寝ることもあったという。指の関節も変形を起こし始めていたのが、少しおさまってきたと話してくれたAさん。痛みが取れたことの次にうれしいのは、指輪がはめられるようになったことだそうだ。


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発症間もない頃のレントゲン写真(上)と
指輪もはめられるように回復してきたAさんの手


「もう少し頑張って、以前のように働けるようになりたいですね。それが今の目標ですが、以前はそんなことは考えにも出てきませんでした。目的をもって毎日が過ごせるようになりました」


「自己免疫疾患」としてのリウマチ

「リウマチ性疾患」は筋、骨、関節に現れる疾患で、自己に対する異常な免疫のために引き起こされる「自己免疫疾患」のひとつだと考えられている。


 自己免疫疾患とは、本来は細菌・ウイルスや腫瘍などの自己と異なる異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称。


 関節リウマチなどの自己免疫疾患は、全身に影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患とに分けられている。


 免疫に関係したサイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質)が異常分泌することで、免疫において重要な働きをしているリンパ球が異常な働きをし、異常な抗体が出現して関節に結合し関節炎を引き起こす。


 そして関節の腫れや関節痛が生じ、手足の関節に対称的に見られる。朝起きたときに手足や身体が硬くなり動かしにくくなる症状が出てくる。


 つまり、リウマチは身体の免疫バランスが破壊されることで起っている病気なのである。免疫のバランスを整える乳酸菌FK?23の働きの重要性はここにある。


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高橋先生と「サカエ薬局」のスタッフのみなさん


 サカエ薬局の高橋先生は「車椅子で来られているリウマチの患者さんもいます。その人はステロイドを飲んでいました。それでムーンフェースにまでなってしまいました。私はその人に乳酸菌を勧め飲み始めましたら、3カ月で歩けるようになりました。まだ首がちょっと動きませんが、それも次第に改善していくと思っています」と語る。


 リウマチの患者さんにとって、副作用に怯える処方よりも、自分の身体に合った処方、そして自分の身体の中から治癒力を喚起させることが大切である。その意味でも、単なる対症療法だけでなく、身体全体のバランスを意識した健康相談ができる「かかりつけ薬局」の意味は大きなものがある。


「患者さんとのコミュニケーションを大切にして、地域の人の健康づくり、悩みの解消にいかに役立つかが私の目標なのです」(高橋先生)


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「サカエ薬局」
東京都板橋区高島平8?13?12
 ソレイユ高島平パート??102
営業時間 
月?土 9:00?20:00
第4日曜 9:00?13:00
休日 日曜日(第4以外)・祭日
Mail sakae-p@gaea.ocn.ne.jp
URL http://sakae-kanpou.com/

2009年05月01日

Dr.ハザマからのメッセージ 膝や腰の痛みでお悩みの中高年の方へ 

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狭間研至(医師・医学博士)Kenji Hazama


意外に治りにくい膝や腰の痛み

 「この膝の痛みさえなければ……」「腰痛がひどくて長く座っていられない……」という方も多いのではないでしょうか?


 年齢とともに、膝や腰の関節が少しずつ傷んでくることは致し方ないことです。しかし、近年、メタボリックシンドロームという言葉が一般的になってきたことに代表されるように、どうしても体重オーバー気味の方が増えていることもあり、膝や腰の痛みに悩む患者さんの数も、非常に増えています。

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 膝や腰の痛みということであれば、まずは、整形外科を受診される方も多いと思いますが、なかなか満足のゆく結果が得られないという方も少なくありません。


 今回は、「関節の痛み」にお悩みの中高年の方に、その基本的な考え方と対策をそっとお伝えいたします。


膝や腰の痛みの基本的な考え方

 そもそも、なぜ、膝や腰が痛むのでしょうか。少し乱暴な譬えかも知れませんが、機械に例にして言うと、(1)部品が傷んでくる、(2)潤滑油が少なくなる、という2つの理由によるものと言うことができます。すなわち、人の体では、膝や関節の骨や軟骨が、変形したり弾力性が失われたりすることと、関節の周囲にある粘液の粘りがなくなってきたり、産生が少なくなったりすることになります。


 そうすると、今まで滑らかに順調に動いていた膝や腰も、きしみが出たり、動かしづらくなったりしてきます。クッションの役割をしていた軟骨の傷みによって骨同士が直接こすれたりするようになり、膝や腰に炎症が起こってしまいます。炎症が起こると、その部位は熱を持ち、痛みが出てくるとともに、膝の関節に水がたまってくることもあります。


 このような症状は良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、こういった状態を長く続けていると、膝や腰の骨そのものが変形してしまう可能性も高くなってきます。


医師の基本的な治療法

 一般に、加齢性変化によって膝や腰の痛みが出ている患者さんに対して、医師が考え、行う治療は以下の通りになります。


?負担の軽減
 膝や腰の痛みのもとになる大きな原因は、体重の増加です。重い荷物をずっと載せていると、車のサスペンションが傷んでくるように、過度の体重は、膝や腰に負担をかけ、症状を悪くします。また、歩行や運動が少なくなり、膝や腰を支える筋肉が衰えてくると、それだけ重量における負担が増えてしまいます。
そこで、少し太り気味の方については、まずは、ダイエットをおすすめするとともに、ウォーキングなどの運動を通じて膝や腰の周囲の筋肉を強くして、関節そのものにかかる負担を少なくすることが重要です。


?痛み止めの投与
 関節に炎症が起こると、熱と痛みが出てきます。そこで、用いられるお薬が「消炎鎮痛剤」、いわゆる「痛み止め」です。「痛み止め」には、飲み薬の他に塗り薬や貼り薬(湿布やテープ)があります。これらは、痛みの原因となる物質に直接作用するので、まさに、痛みは止まります。 


 しかし、骨や軟骨の劣化や、潤滑液の不足を、直接治すお薬ではありません。また、飲み薬の場合には、胃の粘膜を荒らしてしまうことも少なくないので、長期にわたってのみ続けることが難しいという方もいらっしゃいます。


?理学的療法
 これは、関節への負担を下げたり、炎症を軽減したりするために牽引や温熱治療を行うというものです。
物理的な圧迫を一時的に解除したり、血流がよくなったりしますので、症状は改善することが多いですが、一時的な改善になることも多いです。


?手術
 長期にわたって膝や腰の関節への負担が続くと、骨そのものが変形してしまいます。その変形の程度や具合によっては、痛みを取り除くには、ダイエットや筋力増強、薬物治療や理学的療法といった保存的治療では限界に達してしまうことがあります。


 このようなケースについては、やはり、外科的処置が必要になります。最近は、手術の手技や器具も飛躍的に進歩しており有効な治療法ですが、ご高齢の方や健康にご不安がある方にとっては、やはり、避けたい治療法と感じられるのも致し方ないと思います。


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軟骨が少なくなり関節の間隔が狭くなっている「変形性膝関節症」のレントゲン写真
【資料提供】
かとう整形在宅クリニック
<在宅療養支援診療所> 院長:加藤 泰司
〒560-0085 大阪府豊中市上新田2-24-4 メゾン千里中央106号室
URL:http://www.kato-seikei-zaitaku.com


医師による治療に満足できない方に


 ここまで、膝や腰の関節の痛みのメカニズムや一般的な治療法についてお話してきました。しかし、医師による治療に満足できない方というのは、決して少なくないように思います。


 私が診察室でお話する患者さんだけでなく、雑談で話をする知り合いの方も、異口同音におっしゃるのが、「整形の先生は、『まぁ、年のせいもあるし……』とおっしゃるのです」とか、「整形では、温めたり電気をかけたりといった治療はしてくれますが……」とか、「痛み止めは効くのですが、どうも胃が荒れてしまって……」などといったことです。


 しかし、医師に相談しても、あまり劇的な改善が見込めないということだと、本当に困ってしまいますね。


 そのような方にとっては、医師が積極的に取り入れていない観点からアプローチをしてみてはどうかと思います。


 その一つが、「関節の軟骨や粘液を元の状態に近づけていく」という考え方です。年齢により機能は低下しているとはいうものの、もともとは自分の体の中で作り、再生していた軟骨や粘液です。それらのサイクルに着目し、自分自身の力で症状を和らげていくという考え方は、意外なようですが、医師による治療法には基本的に含まれていません。


 軟骨の再生や痛みの軽減に作用するN?アセチルグルコサミンやMSM(メチルスルフォニルメタン)といった成分が、最近、話題になっているのは、こういった背景があるのではないか、と思います。
もし、あなたが医師による治療の成果に満足できていない場合には、N?アセチルグルコサミンやMSMは健康食品やサプリメントとして販売されていますので、補完的な治療として併用してみるのも一つの方法です。ただし、医薬品と異なり、商品にはばらつきがありますし、安全性の問題も依然として存在します。


 また、テレビや新聞・雑誌だけでなく、最近はインターネットでも情報や商品が氾濫しています。何より、あなたの健康のために、専門家にご相談になり、安全が確認された信頼のメーカーの商品を用いられることをおすすめします。


はざま けんじ
医師・医学博士・外科専門医・呼吸器外科専門医。
平成7年大阪大学医学部卒業後、第一外科に入局。国公立病院にて外科診療に携わった後、平成12年大阪大学大学院医学系研究科博士課程。平成16年同修了。平成16年ファルメディコ株式会社 代表取締役。
現在、有限責任中間法人 薬剤師あゆみの会 理事長。薬局の運営に携わるとともに、医師として、在宅医療や補完医療での活動も行っている。

2009年04月01日

≪健康トピックス≫地域住民の健康生活をサポートする“かかりつけ薬局”ファンシーそま

地域に根ざした「かかりつけ薬局」の役割は、家族ぐるみの健康生活について気軽に相談できるところ。開業してから40年間ずっと大阪・千里中央地域の皆様から信頼され、食生活から漢方、健康食品までにわたっての指導が喜ばれている「ファーマシーそま」の取り組みとは――。


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杣 誠二(薬剤師)Seiji Soma
兒玉眞理子(薬剤師)Mariko Kodama


ヨーロッパでの貴重な体験

――「ファーマシーそま」さんが開業されたのは?

◎大阪万博が開催された前年の1969年の12月です。今年でちょうど開業40年目になります。


――どのようなスタンスをお持ちでしたか?

◎私たちは、みなさんが「一生健康で元気に過ごすために何が必要か」を追求してきました。そのために漢方を学び、さらに食事に関してはドイツやスイスなどの先進的な要素を学んできました。


 そして「免疫」というものに注目したのです。お客さんがそれぞれご自分に健康になるための力をお持ちになっていることが分かってきたのです。


――ドイツとスイスに行かれた時期は?

◎1990年です。日本予防医学センターの今井良次博士が中心となって、ヨーロッパ、特にドイツやスイスの健康食品事情を視察するツアーが組まれていました。私は娘(兒玉さん)と一緒に参加し、ヨーロッパの健康食品の実態を学んできたのです。


 そして、さらに近畿大学の東洋医学研究所長であった久保道?教授から「免疫」についていろいろご指導していただきました。食を土台とした健康づくりをめざし、免疫に役立つ食品を広めていきたいと思いました。この千里中央の地域の方々をはじめとして、より多くの方々の「健康づくり」をめざしたのです。


――ヨーロッパの事情はどうでしたか?

兒玉◎ヨーロッパには、「病気にならない身体をつくる」という考えがあって、人間が本来あるべき自然の姿を取り戻す「レホルム運動」というのがあるのです。リフォーム(改善)という意味ですね。それで、自然食品や良質のサプリメントや自然の化粧品などを販売している「レホルムハウス」といった専門店が約3000軒あるのです。


 バランスの良い食事と適度な運動、そして十分な休息が健康な生活の条件なのですが、これがなかなか難しい。その意味でも、レホルムハウスは人々の健康生活に役立っているのです。


◎店頭で健康食品を扱う専門家の養成学校があり、薬剤師ではありませんが私たちの考えよりも一歩も二歩も進んでいました。


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 扱われている食品は、品質と安全、そして風味や嗜好を考えた栄養食品であり、栄養のアンバランスを改善し、栄養摂取量を最適に保つための栄養補助食品が並んでいました。


 そして、薬と同じように効能などが表記してあり、こうして煎じてくださいなどの指導をしているのです。我々が薬として扱っていたものが、食品として堂々と売られているのです。自然のものから取り出した食品で人間の身体の健康を構築する、という考え方なのです。


――その現場をご覧になってどう思われましたか?

◎日本では健康食品に効能は記せないわけですから、一種のカルチャーショックを受けました。その後は日本で、ヨーロッパの現状を語り、その違いを訴えてきました。日常生活から健康づくりを定着できればという思いがあったのです。


――兒玉さんの方は?

兒玉◎当時は私は学生でしたから、まだそういう状況の違いに対してはあまり感じませんでしたが、「食品で健康づくりを」という態度にはドイツ人の真面目さを感じました。よく吟味された材料を使い、なんでも正しく摂取するという几帳面なところを感じました。


――そういう体験があったからこそ、日本でも従来の薬局と違い、薬だけでなく健康食品を取り扱われたのですか?

◎そうです。ドイツでは薬理学的な説明も店頭で説明してくれるのです。日本のような規制はなにもありません。それから、健康食品についても、効能がちゃんと説明されているのです。


 私たちの考え方の基礎は「病気にならないでおこう。健康でいこう」ということですから、身体づくりを理論的に組み立てて仕立て直し(レホルム)しているヨーロッパ事情は参考になりました。健康づくりのために身体の中の足りない部分、補うべきところを日常的な食品によって改善して、元気な身体づくりをご指導してきました。


食事に関する「健康十則」


――「食事はあなたの人生です」とよく言われますが、食事がいかに大切かということは肝に銘じていても、なかなか難しいところがあります。ドイツ人は結構太っているイメージもありますよね。


兒玉◎ドイツの人はビールが好きで太ったようなイメージもあるようですが、食事に関しては昼間はたくさん食べますが、寝る前はそれほど食べないようです。


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 またビールと一緒にハムとかソーセージばかり食べていたのではいけないという考えから、レホルムハウスのようなところがどんどん出来てきたのでしょう。


◎私たちは日頃から「肉を減らしなさい」「夜の食事はさわやかに軽くしなさい」と言っています。ご来店いただいた皆様には私どもの「健康十則」をさしあげています。


 その内容は、
?みどりを大切に。必ず煮たり、炒めたり、ゆでたり、かさを低くして両手の平一杯の量を食べる。
?朝食は一日のうちで一番大切です。
 朝食は金、昼食は銀、夕食は銅。
?一日に食材を30種類以上食べる。一日に食材10種類くらいの人は将来必ず病気になる。
?薄味に慣れる。
?香辛料を上手に使う。
?ひと口食べたら30回噛む。硬い繊維質の食品を!
?牛、豚、鶏等の二本足、四本足よりも魚。海のもの、河のものをうんと多く!
?いつも「腹八分目」。もう一杯欲しいな!
 その時箸を置く。
?いつもより10分早く床の中に入りましょう。
?朝の排泄はすっきりするまで。


 これらの項目は、ドイツに何回か行き来しているときに出来たものです。


――食品の中でも健康づくりにいいものと悪いものがあるのですね。

◎翌日までお腹に残った感覚を持つような食品を食べないようにしましょう、と言っています。腸のなかでは栄養を摂取したり、水分をとるなどいろいろな作用が行われているので、一晩寝て起きたときに前の日に食べたものが残るようなものは健康のために避けるべきなのです。というのも、腸内の残渣から免疫を壊すような悪い変化が起っているからです。


 しかし、なかなか聖人のような食事を続けるということは難しいものです。ですから、腸内環境を整えるのにサプリメントなどを補完食品としてとることを勧めています。


――お腹の健康のバロメーターは?

◎食欲と排便です。それから朝起きたときにお腹がスッキリしていることが大切です。このスッキリ感がポイントです。


――お腹にとっていい食品といえば何でしょうか?


◎日本人にとってはおコメがいちばんいい食べ物だと思います。日本人の伝統の食べ物ですから主役ですね。おコメは体内の掃除もしてくれるしエネルギー源にもなるものです。免疫にとってもいいのではないでしょうか。


――地域に根ざした健康生活の相談所みたいなところが、「ファーマシーソマ」さんの役割の一つかと思いますが……?

兒玉◎若い女性の方が、小さい時にアトピーでお世話になったと訪ねてくれることもあります。常連の家族の人たちは、何かあると必ず来てくださるのです。


杣◎開店以来40年間ずっと来てくださる方もいます。その間の投薬歴は台帳に記帳していますので、その人の体調の変化もだいたい分かります。


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――それこそ、まさに地域に根ざした「かかりつけ薬局」の姿ですね。


>>>●コ ラ ム●<<<

「ガンになった主人が一時元気になりました」
――開業からのお客さん


――ご主人がガンになられていたとか……。

「主人は昭和3年生まれで、頑固な人でした。比較的健康で働き虫でしたが、病院嫌いで、風邪をひいてもこちらの薬局で薬を貰っていたくらいです。


『ファーマシーそま』さんとは創業以来からのお付き合いで、いろいろとお世話になっていますが、平成6年1月に病院の先生から告知されて(本人には内緒でしたが)、一番に杣先生に連絡をとりました。翌朝すぐにいらっしゃいということでした」


――その翌日はどのようなお話をされたのですか?

◎その頃から乳酸菌の勉強をしていたのですが、なんとか免疫力をと思いまして、乳酸菌FK?23含有の健康食品を勧めたのです。健康食品がどれほどガンに有効かは正直わかりませんでしたが、とにかく藁にも縋る思いでいましたから、やってみようということでお勧めしたのです。


――ガンの具合はどのような状態でしたか?

「胃ガンでして、それが肝臓に転移しており、もう何も出来ない状態だとお医者さんからは言われました。病院の方では抗ガン剤も苦しいだけだからやりませんということで、栄養剤の点滴だけしか行いませんでした。よくもって5月までとも言われました。そこで、杣先生から勧められた健康食品を食べさせたのですが、5月頃には元気な表情を取り戻しました。その時は本当にガンなのかなってことも思ったこともあります。病院の先生もガンが少し小さくなっていると言うのです」 


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――看病の間もガンを隠されていたというのは大変でしたでしょう?

「それは話す言葉にも随分気を遣いました。でも、世間でもガンという言葉が飛び交っていますし、本人もうすうす感じていたのではないでしょうか。8月には亡くなりましたが、頑張ってくれました」


――その間、杣先生とは何度もご相談されたのですか?

「ほとんど毎日のように話しにきました。家族中がお世話になっていますから。娘も胃腸の調子がよくないので、先生に勧めていただいた健康食品を食べています」


――FK?23菌がガンにどのように効果があったとお思いでしょうか?

◎腸の中をきれいにしておくことで免疫が高められたのではないでしょうか。少し良くなってきたという話を聞いて非常に嬉しかったですね。免疫力の効果に自信を得ました。


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ファーマシーそま
〒560-0082
大阪府豊中市新千里東町1?3?222 せんちゅうぱる専門店2F
TEL 06?6831?2570
営業時間 10:00?19:30
定休日なし(正月は1?3日休み)
HP http://www.senrichuou.com/tenpo.php?mise=94

2009年03月01日

高齢者にとってつらい関節痛には普段からの予防対策を

(社)岐阜県柔道整復師会会長
橋本佳幸
Yoshiyuki Hashimoto


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関節痛の予防対策

 日本人が長寿世界一となり、お元気な高齢者が多くなってきました。しかし、長年酷使している人の運動器は、疲労や磨耗(すりへり)により、たくさんの負荷を強いられ、骨、関節の変形へと進んでいきます。


 関節は骨と骨の組み合わせで、内部には関節軟骨があり、これがクッション(ショックアブソーバー)の役割をしています。その周りを筋や靭帯で支えていますが、長い間の関節の形状(O脚、X脚、アライメント、歩き方の癖などが考えられます)により、関節軟骨が磨り減り、それによって炎症が発生し痛みの原因の一つとなります。


 その痛みを我慢したり、動けるからと放置しておくと関節の変形をさらに進めることとなります。つまり、変形が進むということは炎症を悪化させ、その周りに滲出液(滲出細胞も含む)が集まり、その圧迫などにより痛みを強く感じるようになります。


 そうなると、反射的に防御反応が起り、交感神経が緊張し筋肉が硬着して、血流が悪くなり、身体各組織に酸素の供給が滞るという、まさに悪循環が起ってくるのです。


≪予防対策≫

?毎日の生活において、各関節にできるだけ負担がかからないように注意する。

?年齢に適した毎日の運動により、関節の柔軟性、筋、靭帯の強化維持を図る。

?長時間の一定姿勢を極力避ける(立位よりは腰掛けが良い)。

?安易に歩かないで、姿勢良くを心がけて、無理なく歩くこと。

?各関節の保温(外傷性の痛みがある場合を除く)。

?栄養素の補給(サプリメント等)。

?健康管理(メタボリック症候群等)。


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ゴルフと関節痛


 私自身はよくゴルフをしますが、ゴルフ場でふと不思議に思うことがあります。それは、あまり上手でないゴルファーが2?3回の素振りだけでスタートしていく姿を見かける時です。まず、ゴルフに対する心構えがなっていない。ゴルフをあまく見ているとケガ、故障のもとになりかねないですね。


 プロゴルファーの方たちはスタート前、入念に柔軟体操を行い、練習球もたくさん打ってからプレーに入ります。見習いたいものです。しかし、そんなプロたちをも悩ませるのが、膝関節への大きな負担です。


 タイガー・ウッズなどは膝の故障で戦線離脱をしています。より遠くへ正確に飛ばすため、左右の下肢で強い壁を作り、上体を十分に捻って打ちます。ですから、壁を作るときに膝に強い捻転力がかかり、半月板、関節軟骨にも相当の負荷が加わります。それが故障につながっていくのです。


 あと、膝以外にゴルフに起因にする障害部位として、膝関節、腰、頚、足関節などが挙げられます。ここで、ゴルフ肘とゴルフ腰について、簡単に説明したいと思います。


【ゴルフ肘】
 クラブを強く握り打球する際、肘関節の内、外側の筋、腱付着部に強いストレスが加わり、炎症を引き起こすことです。
※筋力低下が目立つ中高年に多い。

<対策>

 スタート前の柔軟体操の実施、プレー前日の夜更かし、疲労を蓄積させないこと、日ごろから腹筋、背筋のストレッチなどをしておくこと。


 以上ですが、ゴルフに限らず何事を行うにも、常日頃より身体の柔軟性を保ち、食事やサプリメント等で栄養補給に気をつけ、一つひとつの動作にも注意を払っていきましょう。


「歩く」という字は、少しも止まらずと書きます。歳を追うごとに衰えやすい下肢の筋肉や関節や関節の組織を刺激するための歩きは、有効な手段だと思います。その歩きは、人間の基本的動作ですので、一番大切なことです。 皆さんも、毎日歩きましょう。


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 では最後に、私の好きなゴルフ名訓を述べておきます。


◎ゴルフと人生はゲームです。楽しみましょう。

◎ゴルフと人生はチャレンジです。トライしましょう。

◎ゴルフと人生はあるがままです。全てを受け入れましょう。


健康を保つための柔道整復師の役割

――柔道整復師というのは?

橋本 約1300年前に生まれたもので、戦乱の世に、刀や槍が朽ちてしまって闘う術がなくなった時に素手で戦うことになります。その時、柔術が自然発生的に出てきました。その柔術には、相手を倒す殺法とケガを癒す活法というのがあり、この活法が整復となっています。


 この「伝統医療」は現在、国家資格をもった者だけが行えます。現在、全国で約3万5000人が開業しており、主として、骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉離れのような挫傷を扱っています。


 スポーツや労働におけるケガを、注射や薬を一切使わないで整えるのが私たちの仕事です。我々が何かをするのではなく、患者さんの自然治癒力を引き出すのです。人間の体というのは本来すごい力を持っているので、治る方向に導くことでどんどん回復していくのです。患者がご自身の力で治す。そのお手伝いをするのが、われわれの役割なのです。


――高齢化社会では、そのような考え方は大切ですね。

橋本 高齢者は、どうしても運動器にいろいろな障害が起きてきます。介護保険の関係で「機能訓練指導員」というのがありますが、われわれも骨とか筋肉や筋などに関して専門ですから、その分野で施設などに出向いて転ばないように訓練したり、楽しく遊んでもらったりして、なるべく寝込まないようにしています。


 健康状態を保つための運動を行ったり、食べることにも気を使って欲しいですね。そして補完的に、コンドロイチンやヒアルロン酸などのサプリメントを摂って、関節をサポートしてあげる必要があると思います。


――関節の痛みもつらいものがありますからね。

橋本 関節の痛みは軟骨が磨耗しているためので、その部分を支えている筋肉や筋を強くさせることです。腰痛についても同じです。ですから、毎日毎日少しでもいいから筋肉や筋を強める適度な運動をすべきです。


――筋肉の保持が大切なのですね。

橋本 そうです。筋肉がしっかりしていると、それが体温を生むのです。今の日本人は低体温になっています。車に乗ったりエスカレーターを使ったりで、あまり筋肉を使わなくなりました。だから体温が下がるのです。


 難病がなくならないのは、体温が低下して免疫力がなくなるからとも言われています。そして基礎代謝が下がるものですから、少ししか食べないのに太ってしまうのです。基礎体温が高いと、知らないうちにどんどん体内で燃えてしまうのです。


――スポーツの世界でも、柔道整復師の活躍をお聞きしていますが…。

橋本 少年少女から、中学、高校、一般など各種柔道大会にはトレーナーとして、また柔道大会だけでなく各種スポーツの大会にも救護班として参加しています。


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岐阜県の柔道大会に参加する柔道整復師会


 骨折、脱臼、捻挫など、負傷した選手には、その場で整復、冷却、固定などの応急処置を行っています。


 すぐに処置することで負傷者の苦痛を和らげ、予後も大変良好となります。最近は、各主催者からの依頼も多くなっています。


――ありがとうございました。


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岐阜県柔道整復師会館

2009年02月02日

■ヘルシートーク アトピー編(下)悩ましい「アトピー体質」と乳酸菌の免疫力

嶋田貴志ニチニチ製薬?中央研究所部長・博士(学術)

小児から成人まで幅広い年代層を悩ませている「アトピー性皮膚炎」。先月号では、小学生の頃からずっとその症状に悩まされてきた植田睦海さんさんが、その驚くほどの改善を「乳酸菌食品との出合い」と語っています。乳酸菌の免疫力と漢方薬との併用がさらに効果を生むというメカニズムに迫る。


(コラム)
「根本的に体内からきれいにする」

 前号では、アトピー性皮膚炎に悩んでいた植田睦海さんが乳酸菌食品によって、症状が本人もびっくりするような好転を見せた例を取材させていただいた。顔やひじの内側に繰り返しあらわれていた症状が、昨年夏には半袖を着ることができお化粧も気にせずできるようになって大喜びだという。


「アトピーに悩むほかの人にも、ぜひ伝えたい」と植田さんは言う。乳酸菌食品と出合って5カ月、アトピー性皮膚炎の改善とともに生活パターンも積極的になったと明るく語る植田さんの顔には、これまでの辛かった日々を跳ね飛ばすくらいのエネルギーを感じた。


 植田さんはこれまでの食生活を徹底的に改善するとともに環境を整え、乳酸菌食品を摂ることで「治る」ことを実感したという。「今までは即効性を求めて症状を抑えてきただけに過ぎず、根本的に体内からきれいにするためには時間がかかる」という意識で取り組み始めた。


 いまは国際東洋医療柔整復学院・鍼灸学院講師として、柔道整復師・鍼灸師の卵たちが国家資格をとれるように指導している。そして自らは柔道の審判員のライセンスを取り、全国大会や国際大会に参加することを目標に頑張っている。


 アトピー性皮膚炎は、炎症、かゆみ、赤み、乾燥、亀裂などをともなう皮疹が顔や首、ひじ・ひざの屈曲部に繰り返しあらわれ、ひどくなると全身に広がるアレルギー性疾患のひとつ。20歳以下の10人に1人が罹り、成人後も症状が治らない人も多くいる。アトピー性皮膚炎に罹る人は、この10年間でなんと2倍に増えているという。


 痒みが激しくなり、掻くことによってさらにアレルギー性皮膚炎をひどくさせるという終りのない辛さ。アトピー性皮膚炎で悩んでいた植田さんが乳酸菌を摂ることで光明を見出したのである。


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 今回は、ニチニチ製薬?中央研究所部長の嶋田貴志博士に、アトピー性皮膚炎の問題点となぜ乳酸菌に効果があるのかをお聞きした。


アレルギー疾患のひとつアトピー性皮膚炎


――アトピー性皮膚炎は原因が分からないと言われていますが、非常に複雑な要因が絡み合ったものなのでしょうか。

嶋田 アトピー性皮膚炎は、基本的にはアレルギー性の疾患です。原因が分からないと言われているのは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を除去しても、その症状が改善しないためだと思われます。


 そのアレルギーも食物アレルギーであったり、家ダニであったりカビであったり人それぞれいろんなものが原因となっています。日本人の約半分ほどが特に家ダニに対してアレルギーを持っています。


 いずれにせよ、アトピー性皮膚炎のスタートはアレルギーによる蕁麻疹(じんましん)などの皮膚の痒みから始まります。それを掻くことで傷が深く広くなり、症状が悪化して広範囲に広がり、治療が難しいアトピー性皮膚炎に進展していくと考えられています。


 そうなると、アレルギーに適応する薬を処方しても治らないことが多いですね。


――よくアトピーにはステロイドが使われていますね。

嶋田 ステロイドというのは炎症を抑える薬です。アレルギー症状で皮膚炎がひどくなるのは、白血球が過剰に働いて悪さをするからです。ステロイドはその白血球の働きを抑えようという薬です。


――ステロイドによって免疫力が抑制される側面もあるのですね。

嶋田 そうです。ステロイドを使っている方は、風邪を引きやすい体質になることが多いですね。


――アトピーは複雑な因子の絡みから起きているということですが、ストレスという精神的な要因もあるのでしょうか。

嶋田 先ほどもお話しましたが、アレルギーは家ダニやハウスダストなどや食品に含まれるアレルゲンが主たる原因になっています。最近では、菌を寄せ付けないという抗菌作用のあるものを過剰に使うことが影響していることもあります。


 ストレスとアトピー性皮膚炎との因果関係は証明されていませんが、ストレスによる免疫系の異常も指摘されており、その可能性は十分にあると思います。


――ストレスが免疫力を下げるのですかね。

嶋田 はっきりとしたデータはありませんが、ストレスというのはいろいろな分野で悪影響を起こしていることが分かっています。逆に、笑うことで免疫力が出て身体にいいと言われています。


免疫力と小腸の働き


――「免疫」というのは、そもそも何なのでしょうか。

嶋田 「免疫」というのは、字がそうであるように「病を免れる」という意味です。学術的に言えば、生体が自己と非自己を認識して、非自己を排除するという考え方から始まっています。つまり、自分の身体にもとからあるものとそれ以外のものを区別して、入ってきたものを体内から追い出す作用を言います。


 ですから、感染症など入ってくるばい菌を排除したり、体内で発生するガン細胞を攻撃したりして、健康体を維持する働きをしているのです。


――植田さんは乳酸菌FK-23と乳酸菌LFK含有食品を摂り、生活のパターンを変えることが出来て、アトピーの症状が改善されました。それはどうしてなんでしょうか?

嶋田 小腸というのは免疫をつかさどる器官なのです。そこに乳酸菌が入っていくと、白血球などが活性化すると言われています。その菌体成分が白血球の働きを助けるわけです。


 アレルギーが悪化する原因の一つに、腸内細菌叢の乱れや有害な真菌が繁殖することが一因と言われています。ですから、乳酸菌を食べることで腸内の細菌叢が改善され、アレルギー症状に好影響を与えていると思われます。一方、最近では乳酸菌の菌体成分がアレルギーを抑えるのではないかとの研究結果も報告されるようになっています。


 ところで白血球のリンパ球(T細胞)には、Th1型とTh2型の2種類があります。人間は生まれたときにはTh2型のほうが強いのです。その後、いろいろな菌と接触することで、Th1型のリンパ球が強くなり、菌に対する抵抗性が強くなっていきます。このTh1型のリンパ球が強くなることで、アレルギーを起こしにくい体質になるといえます。ところが、薬の乱用で菌に触れる機会が少なくなったり、ストレスにより免疫に悪影響を及ぼしたりするとTh1型が強くならない状況になります。その結果、Th2型が強くなってアレルギー体質になりやすくなるのです。


 乳酸菌はTh1型を強めることが分かっています。薬やストレスで弱まったTh1型を強める作用でアレルギーを起こしにくくするのです。


漢方薬との併用でアトピーに対処


――植田さんの例では漢方薬との併用を行っていますね。

嶋田 漢方薬というのは単一の成分で効果を示すのではなく、複合的な成分でさまざまな効果を示します。また、腸内に入って消化酵素や腸内細菌により分解、代謝されて初めて効果を示す成分も多く知られています。そのため、腸内細菌のバランスによってその効果は異なることも報告されています。そして、腸内細菌の調子を整える成分と一緒に漢方薬を飲むことで、その効果が高まることは十分に考えられます。


 実際に、漢方薬(アレルギー疾患に適用される小青竜湯)と乳酸菌製剤との併用投与でアレルギー抑制効果が高まることを確認しています。


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 このグラフの縦軸はアレルギーの指標となり、上に行くとアレルギーが悪化していることを示します。少量の漢方薬では効果が見られていませんが、多量だとはっきりと効果が認められます。一方、乳酸菌製剤と一緒に漢方薬を飲むと、少量でも多量を飲んだときと同じくらいの効果が確認できました。


――アトピー患者にとって大切なことは、「食生活の改善」「適切なスキンケア」そして「腸内細菌叢の整備と体質改善」の3本柱が重要だと聞いております。

嶋田 そうですね。「食生活の改善」と「腸内細菌叢の整備と体質改善」はすべての病気に対しての予防に繋がります。これに「スキンケア」を加えるのは、アトピー性皮膚炎改善の基本と言えます。


「食生活の改善」は、動物性脂肪を減らす、野菜やキノコ、海草を多く摂る、良質のタンパク質を摂る、砂糖を控えるなど、生活習慣病の予防に言われていることとまったく同じです。


「腸内細菌叢の整備と体質改善」は、ヨーグルトなどの発酵食品を食べる、野菜やキノコ、海草を多く摂る、睡眠不足、ストレスを避けるなどが挙げられます。


――これは生活習慣病全般に関わるものかもしれませんね。

嶋田 そうですね。


――アトピーも含めてですが、人間の体が菌におかされる場合、疲れとか栄養のバランスが崩れたり、あるいは精神状態があまりよくない状態が続いた時が多いようですが……。


嶋田 人間の身体は精神的な部分が結構支配しています。植田さんの場合も、気候とか湿度とかあるいは精神状態によって症状にいろいろな変化が起きてきたようですね。そして乳酸菌食品を摂ることで症状が改善してきた時の彼女の前向きな姿勢が、さらに相乗的な効果を生んでいるようです。


――どうも有難うございました。


しまだ たかし
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京都市生まれ。昭和63年三重大学水産学部卒業。同年ニチ
ニチ製薬?入社。現ニチニチ製薬中央研究所部長。大阪市立
大学大学院医学研究科客員研究員。博士(学術)。

2009年01月01日

■ヘルシートーク【アトピー編(上)】諦めかけていた"アトピー体質"がよくなり、夢のある人生に

アトピーと小児ぜんそくに悩みながらも、父親から柔道を勧められ打ち込んできた植田さん。ステロイド中心の治療法で一向に改善しないアトピーがよくなったのは、植田さんが「本当に幸運な出合いでした」と語る乳酸菌食品を常用し始めてからだ。対処療法ではなく、個々の体が持つ回復力を高める乳酸菌FK?23菌の効果は、植田さんの病状ばかりでなく生き方まで変えた。


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国際東洋医療柔整学院・鍼灸学院講師
植田睦海 Mutsumi Ueda

ニチニチ製薬?取締役東京本部長
酒井修一 Shuichi Sakai


体に必要な免疫のバランス


――植田さんのアトピー発症はいつごろですか?

植田 小学校4年生からですね。初期の段階は、肘の内側と膝の内側が痒くてたまりませんでした。それに小児ぜんそくがあって、虚弱体質と言われていました。学校でも休みがち運動会も欠席することが多かったのです。そういう体質を変えようとして、もともと父が柔道をしていましたので、小学6年生の時から柔道を始めました。


 それで小児ぜんそくはよくなったのですが、アトピーの方は、その頃からステロイドの入った薬を塗っていましたので、症状はなんとか抑えることができました。黒くはなっていましたが、痒みが我慢できないというほどではありませんでした。


――ステロイドは、症状に合わせて増やしたり抑えたりしていたのですか?

植田 あまり薬の知識もなく、薬をもらったらどんどんつけていました。つければそれだけ治るものだと思っていましたから。


 でも、大学を卒業して勤め始めた頃、ステロイドは体によくないというので、保湿をとることを中心に薬を変えました。その後、ある時生活のリズムが崩れストレスもたまってアトピーの症状が酷くなりました。


 それでこれはちょっと真剣に考えなければという思いがしました。その頃、ある接骨院に勤めていて、ニチニチ製薬の酒井さんとお会いしたのです。


――酒井さんは、植田さんの症状をどうご覧になりましたか?

酒井 私たちは仕事柄、アトピーの方たちとお会いする機会が多いのですが、そのなかでもかなり重度の状態でした。2008年の2月に始めてお会いした時は、皮膚がとれてしまっているところあったし、口の周りもかなり爛れているような状態でした。肘の内側もカサブタ状になっていました。ステロイドの影響もあったのでしょうが、皮膚の色もよくないし、水分がぬけてカサカサでした。


 これだけ重度だと1年程度は継続して頑張ってもらわないといけないなあ…と思いました。


植田 無意識に患部に手がいって掻いているのです。これはちょっと辛かったですね。何とかしなければと、真剣に思い悩んでいました。一生治らないのではないかという恐怖のようなものを感じていました。これでは外を歩けないとも。それで、1カ月に7軒も病院に行ったときもありました。


――植田さんの症状に対して、酒井さんはどのようなアプローチを?

酒井 ステロイドを全否定するつもりはありませんが、それはあくまでも対処療法であり根本的な治療にはなりません。植田さんは、一般的な免疫のバランスが相当崩れているのではと思いました。薬を塗って抑えるのではなく、多少時間がかかっても根本から治さないとダメだろうと。


植田 とにかく藁をも掴みたい心境でインターネットでも調べたのですが、なかなか納得できるものもなくて。ですから、とりあえず飛びついたという感じでした。


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症状が酷かった腕(2008年3月19日) ほとんど症状が見られなくなった(2008年11月22日)

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顔にもアトピーの症状が(2008年3月19日)


――ステロイドでなくて大丈夫かなという不安はありましたか?

植田 そうですね。


酒井 人間というのは、痒いとか痛いという感覚に訴える症状をまず抑えようとします。歯を治す前に痛みを取り除きたいと思うのは当然です。しかし、ステロイドにばかり頼っていては堂々巡りをしているだけになるのです。


 それで私どものFK?23菌含有の濃縮乳酸菌食品と乳酸菌LFK含有食品をお勧めしました。


「夏に半袖が着たい…」


――飲み始めてから自分で変わってきたなと思い始めたのはいつ頃からですか?

植田 1、2カ月はよくなったり悪くなったりしていましたが、3カ月目に「アレッ」と思いました。それから症状がだんだんよくなってきました。


酒井 植田さんにも「1、2カ月では改善しないと思います」と伝えてありました。


 3カ月ほどもすると腸内の環境が安定するので、次のステップとして漢方薬の投入も考えたうえ、大阪市立大学大学院の小林裕美准教授に診察をいただき漢方薬治療も併用してスタートしました。


植田 3カ月間は辛かったですね。でも酒井さんから「今までは即効性を求めて症状を抑えてきただけに過ぎず、根本的に体内からきれにするためには時間がかかるんだ」ということを聞いていたので、とにかく1年間は頑張ってみようと思っていました。


酒井 それに生活環境を徹底的に見直してもらいました。例えば、布団を日干しにするとか、食べ物でもアレルギーを悪化させるような「あられ」系のものを避けることなどです。


 植田さんから話を聞くと、やはりストレスからお菓子などに手を伸ばしていたようでした。乳酸菌の効果だけでなく、生活環境をもう一度リセットする必要がありました。それを植田さんもしっかり守ってくれたので、いい結果も生まれたと思っています。


 また電話だけでなく、メールなどで報告を受けていました。


――どのような報告を?

植田 最初は「落ち込んでいます」というものでしたが、症状が改善するにしたがって気分も明るくなりメールをするのが楽しくなりました。とにかく、夜中に痒くて眠れなかったことが一番辛かったですね。それが改善されて、睡眠がしっかり取れることで生活のリズムも随分変わりました。


    ●植田さんから酒井さんへのメール
    ≪2008年3月10日(月)≫
    おはようございます。
    お休みもなく出張ご苦労様です。
    取りあえず報告ですが、
    金曜土曜に顔の赤みと乾燥がかなり酷くなり皮膚がボロボロと剥がれ落ちています。
    金曜に近くの病院に行き土曜日曜はゆっくり過ごし、今日はかなりましです。
    乳酸菌の方は量も減らさず飲んでいます。

    ≪2008年7月19日(土)≫
    先日はお忙しい中わざわざ来て下さり本当にありがとうございます。酒井さんのフットワ
ー クの軽さに脱帽です。
    初めは不安もありましたが続けていく事が1番の近道なんだと痛感しています。
    安心してアトピーを克服出来そうです。顔が気にならない分性格が明るくなれたように
思います。
    ありがとうございました。


酒井 それまでは悪い方へ悪い方へと回っていたのが、一ついい方向に向かい始めたことで、全体がうまくまわり始めたのです。乳酸菌の作用が、生活そのものを改善するというシナジー効果を生んだのでしょう。そしてよくなった分、もっと欲が出てきて我慢しなければならないこともできるようになるものなのです。


植田 私も女性ですから、見た目に劇的に変わってきたので「次はオシャレをしてみたい」と酒井さんにも言っていました。


酒井 植田さんとの話し合いで「夏には半袖が着たい」ということがありましたが、あせってはいけないので今年の夏がダメでも来年にはと言っていました。


植田 それが今年の夏にクリアできたのです。


――それはよかったですね。

植田 楽しくなれば「がんばろう」という気持ちになれます。


酒井 人間の免疫力は楽しいことを考えるといいようです。その部分も大きいですよね。


植田 かなり大きかったですね。


 酒井さんが、対処療法で通院していたお医者さんとは違った対応をしてくれたこともよかったですね。お医者さんから言われる"ダメなものはダメ"というのは、分かっていてもなかなか難しいのです。それを親身になって付き合ってくれたことがよかったですね。


酒井 私どもの会社は、乳酸菌の中でもアレルギーに効果があると注目されていますので、植田さんとのようなお付き合いは結構多いですし、その分データの蓄積や患者さんのサンプリングなどの経験値がプラスに動いたのではないかと思っています。


「治る方法がある」という確信


――ご自分の体験を踏まえて、植田さんから他のアトピーの患者さんに伝えたいことは?

植田 とりあえず、治るんだということを伝えたいですね。私もここまでよくなったことを見せてあげたいです。「治る方法があるんだ」という確信だけでも患者にとって、すごく勇気になるのではないでしょうか。


――新しい人生が開けるような気持ち?

植田 まさにそうです。


――これからの植田さんの目標は?

植田 小学生のころからずっと柔道をやってきて、高校の新人戦から全日本の強化選手に入って頑張ってきたので、柔道の世界で活動の場を広げて生きたいと思います。いま所属している学院で柔道の指導をしていくことと、そして、教え子たちが柔道整復師・鍼灸師の国家資格をとり、柔道界に貢献できる人材になれるよういろいろなサポートをしていきたく思っています。そういった夢もアトピーがよくなってはじめて可能になるし、人前でも言えるようになりました。


 それから、柔道の審判員のライセンスをとって全国大会や国際大会に出ることを目標にしていきます。


――今後の植田さんに対して、酒井さんからのアドバイスは?

酒井 職場が変わって新たなストレスも出てくるかもしれませんが、それに負けないこと。そして、アトピーが治まっても対処療法をしているのではないので、今後も継続的に生活の一部として乳酸菌食品を飲みつづけることが大切です。免疫性も随分高まってきていると思いますが、この状況を維持することです。

――どうも有難うございました。

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うえだ むつみ
1972年大阪府出身、講道館柔道四段。小学6年生から柔道を始め、
桜宮高校―筑波大学―ミキハウスと柔道を続け平成9年に現役を引退。
主な戦歴は1990年アジア大会(北京)優勝、91年世界選手権(バル
セロナ)3位。平成13年からは子どもの人間育成のため、小・中学生を
対象に柔道の指導に携わる。2008年10月、国際東洋医療柔整学院・
鍼灸学院専任講師、柔道部監督に就任。


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恩師・田村監督の奥さんと(1999年現役最後の大会)  1991年世界選手権で獲得した銅メダル